2006年(平成18年) 1月27日(金)付紙面より
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本格いも焼酎はいかがですか―。旧温海町と友好姉妹都市の盟約を結んでいる鹿児島県の旧大隅町(曽於市)の焼酎を扱うコーナーがこのほど、鶴岡市早田の物産館「しゃりん」に設けられた。大隅町のシンボル「弥五郎どん」を冠名に復刻版として数量限定で発売された希少な新酒も扱っている。
イベント時などに互いに行き来し、特産物のPR販売を行うなど合併後も交流を続けている温海、大隅の両地域。しゃりん内の大隅町のコーナーは昨年11月に新設された。現在は手始めに、いも焼酎の本場・大隅町の地元メーカーの焼酎を数種類置いている。
目玉の「弥五郎どん」は、さつまいもなど原料すべてを大隅町産にこだわって造られた。周辺町との合併を記念し、地元の酒造メーカーが長年途絶えていた銘柄名を復活させ、四合瓶3000本、一升瓶4000本を限定発売。しゃりんでは四合瓶(1370円)150本、一升瓶(2300円)60本を入手、販売している。
しゃりんを運営するクアポリス温海では「姉妹都市の間柄で、希少な焼酎を入手することができた。焼酎ファンがめずらしがって購入していくようだ。今後は焼酎以外の特産物も販売していきたい」と話している。
弥五郎どんは大隅町のヒーロー。謎の大男で隼人の首領など諸説がある。五穀豊穣など人々を守る守護神として尊崇されている。身の丈4メートル85センチの巨大な人形が練り歩く「弥五郎どん祭り」(11月3日)は鹿児島県の三大祭りの一つ。
物産館「しゃりん」に友好姉妹都市盟約を結んでいる旧大隅町の焼酎を扱うコーナーが設けられた
2006年(平成18年) 1月27日(金)付紙面より
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庄内地区の救急医療体制について協議する県の「救急医療体制等に関する検討会」庄内地域部会の第3回会合が25日、三川町の県消防学校で開かれた。先月25日の庄内町の羽越本線列車脱線・転覆事故の対応について、県立日本海病院の医療チームの迅速な対応に高い評価が相次いだ一方、県のマニュアルが十分に機能せず、医療機関相互の連絡体制も不十分など、災害時の救急医療体制の課題が指摘された。県庄内総合支庁は災害時の医療機関などの連絡体制について地域独自の体系づくりを進めたい考え。
この部会は、庄内に重篤な救急患者の蘇生を担う救命救急センターがないことなどから、施策の参考にしようと県が設置し、昨年8月、10月に続いて開催。今回が最終で、県立日本海、酒田市立酒田、鶴岡市立荘内の中核3病院、酒田、鶴岡両市、両地区医師会の関係者ら委員11人が出席した。
中核病院の連携などをテーマとした協議では、庄内町の列車事故に話題が集中。事故発生直後に現場に駆けつけ医療救護活動を行った日本海病院の災害医療支援チーム(DMAT、隊長・長谷川繁生医師以下5人)については、「訓練も必要だし、他の医療機関にはできないこと。日本海病院の能力が高いことが証明された」など賛辞が相次いだ。
一方、医療機関の連絡体制については「自主的な判断で医師らを待機させたが、何の連絡もなかった。そもそもどういう対応をするかルールがない」(荘内病院)、「だれが指揮を取ってどういう連絡をするかなどきちっとした命令系統が必要」(酒田地区医師会)など課題の指摘が多かった。
これに対し、県庄内総合支庁の佐藤岩雄健康福祉環境部長は「県にはマニュアルがあり、保健所は情報収集を行うことになっているが、消防も病院もてんやわんやの状態。マニュアルがうまく機能せず、大きな課題が残った」と答えた。
終了後、佐藤部長は本紙の取材に対し、災害時の医療機関の連携について「県全体でも検討するが、地域の実情に沿って細部まで詰める必要性があり、庄内でも独自に情報連絡体系図のようなものを作りたい」と述べた。
県は来月15日、県内7つの災害拠点病院の院長らによる連絡調整会議を山形市内で開く。庄内からは日本海、荘内の両病院が出席の予定。
佐藤部長が挙げたマニュアルは県が阪神大震災を受けて2000年11月に策定した県災害時医療救護活動指針で、「震災を想定した大まかな指針で、列車事故にはそぐわない面もある」(庄内総合支庁保健企画課)という。
また、県地域防災計画の中にある鉄道災害対策計画について、庄内総合支庁総務企画課では「結果的に大筋では同計画に沿った形にはなったが、医療機関の連携は計画に盛り込まれておらず、実践を想定しより細かいマニュアルを作る必要性を痛感した」と反省点を挙げている。
災害時の医療機関の連携について課題の指摘が相次いだ検討会