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2006年(平成18年) 1月6日(金)付紙面より

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荘内日報社元社長 秋山太一郎氏死去

 荘内日報社の元代表取締役社長で現相談役、高研相談役の秋山太一郎(あきやま・たいちろう)氏が5日午前6時40分、慢性腎不全のため東京都新宿区下落合2―19―23の自宅で死去した。90歳。葬儀は高研の社葬として執り行われるが、日時は未定。

 鶴岡市出身で、東京帝国大(現東京大)医学部を卒業。医学博士。医療用高分子の研究に取り組み、1947年ごろに血液樹脂を手がけ、59年に日本医用高分子材料研究所と高研を設立した。模倣を嫌い、独自性を追求し、研究、開発、生産に取り組み、多くのヒット商品を生んだ。

 秋山氏が創業した高研では、合成高分子、医用シリコーンの開発を進め、その応用により医療用機材として生体モデルも開発、医療技術の向上に貢献した。生体モデルの開発により、81年に第1回科学技術庁長官賞を受賞。84年にはバイテクの領域で画期的開発と言われる「KBカラム」で日刊工業新聞が選んだ10大新製品賞に輝いた。

 出身地である庄内をこよなく愛し、77年には鶴岡市に高研の工場を開設した。86年に荘内日報社社長に就任。地域密着型の編集方針を打ち出し、4ページから8ページへの紙面立てを断行するなど、紙面改革を進めた。87年に執筆した「これから北国の時代が来る」の中で、東北地方の秘めた可能性と北国の魅力を訴えた。「庄内は一つ」が持論で、「庄内市」の誕生を提唱し続けた。

 荘内日報社では5期10年間社長を務めた後、96年から会長、2000年から相談役。87年春に勲四等瑞宝章を受章。通産省産業技術審議会委員、県開発審議委員、鶴岡市行政顧問、酒田市産業振興専門員、朝日村行政顧問などを歴任した。

秋山太一郎氏
秋山太一郎氏


2006年(平成18年) 1月6日(金)付紙面より

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“大雪”影響大きく 観光・レジャーは出足鈍る

 庄内地方は先月10日ごろに大量の雪が降り、鶴岡市では26センチの積雪を記録した。年始に多少寒さは和らいだものの、3日には再び荒天となった。5日現在、道路には除けられた雪が相変わらず高い壁をつくっている。近年にない大雪は交通機関に大きな影響を与える一方、流通や観光・レジャー方面にも冷え込みをもたらしていた。
大雪

 鶴岡市内のある宅配業では「年末の大雪で交通渋滞が配送の遅れに大きく影響した。配達時間も2時間ほど延長し、人手不足のため当初予定していた人員を1、2割ほど増やした」と話す。

 鶴岡市の保険会社では「前年に比べ12月中の車両保険の取り扱いが10件ほど増えていた。雪によるスリップや道の狭さが小さな事故につながっているようだ」という。

 また、鶴岡市内の60代の主婦は「除雪車が置いていく雪の固まりが多い。雪を捨てに100メートル先の側溝まで何度も往復し、1時間以上も雪除けをしている。高齢者だけの世帯も多いので対応を考えてもらいたい」と注文する。

 一方、レジャーや観光関係では、旅館や温泉施設などで悪天候による客足の鈍さが目立つ。鶴岡市内のある旅館では「12月の忘年会シーズンは例年並みだったが、1月の予約状況が芳しくない。日本海側の大雪の報道で、旅行を控える人が多いのでは」と話す。
 湯野浜温泉観光協会では「一部の旅館やホテルでわずかにキャンセルが出ているようだ。やはり大雪の影響だろう」と話した。

 また、日帰りの各温泉施設では「悪天候の日は利用客が少ない」と異口同音に話す。「年末年始、前年比で4割近く利用者が少なかった日もある」と話す施設もあった。

 スキー場では「年始は晴れ間もあって客足が良かったものの、年末までとにかく客足が鈍かった」と困り顔。その一方で、先月10日に今シーズンの営業を開始した鶴岡市の小真木原アイススケート場では、12月中の利用客が2000人を超えた。「今冬は毎日、順調に客が訪れる。家族連れや子供が目立ち、天気が悪いから近場でレジャーを楽しもうという人が多いのかも」という。

 商業では、三川町のジャスコ三川店が「午前中に届くはずの商品が午後まで来ないなど、配送ダイヤに多少の影響が出た」という。

 一方、コンビニエンスストアやホームセンター、家電店などでは雪の「恩恵」を受けている場合もあるようだ。鶴岡市内の家電業者によると「暖房器具の売れ行きが昨年に比べ2割ほどアップしている」という。

 同市内のコンビニエンスストアでは「今冬は寒さが厳しいためか、中華まんやおでんの売れ行きが好調」と話す。しかし「悪天候の場合、車での買い物客は多いのだが、近所のお年寄りなどが買い物に訪れない」とも話しており、大雪の影響は少なからずあるようだ。

 同市内のホームセンターでは除雪用品が売り切れの状態。「12月中、前年の1・5―2倍近く売り上げがあった。1月に入ってからはメーカーの生産が間に合わず、商品が入ってこない。アルミ製のスコップも売り切れ、農作業用の鉄製スコップを並べている」という。

 今後も雪は降ったり止んだりの状況が続くようで、しばらくは各方面で厳しい冬が続きそうだ。
 

全国的な大雪の影響で、ホームセンターでは除雪用品が品切れ状態。鉄スコップと雪はねがわずかに残っていた
全国的な大雪の影響で、ホームセンターでは除雪用品が品切れ状態。鉄スコップと雪はねがわずかに残っていた



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