2006年(平成18年) 2月5日(日)付紙面より
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スノーボード・アルペン(パラレル・ジャイアント・スラローム)男子の日本代表に選ばれた鶴岡剣太郎選手(31)が3日、母校の羽黒高校を訪問し、後輩たちへトリノ五輪での活躍を誓った。
鶴岡選手は千葉県出身。1990年、羽黒高校国際科に入学しスキー部に所属。オフシーズンは陸上部で活躍した。仙台大学進学後はスノーボードに転向、98年にプロの資格を取得した。
2001年、ソルトレークシティー五輪の出場を逃し、スノーボードから離れた時期があったが、「スノーボードがしたい」という気持ちを抑えられず復帰。トリノ五輪出場を目指して国内外のレースに参戦した。
昨年の世界選手権などに出場してオリンピック参加基準をクリア。先月9日に開かれた全日本スキー連盟の常務理事会でトリノ五輪の日本代表として発表された。鶴岡選手は五輪初出場で、スノーボード・アルペン男子競技へ日本人男子が出場するのも今回が初めて。
この日の午前、来庄した鶴岡選手は金野信勇理事長、福原義幸校長とともに庄内総合支庁や鶴岡市役所を表敬訪問。午後から羽黒高校総合体育館で全校生徒による激励会が行なわれ、鶴岡選手は生徒たちの大きな拍手の中で母校に凱旋(がいせん)した。
福原校長の選手紹介に続き、金野理事長が「多くの国民、そして羽黒の生徒が活躍を願っている。体調に気を付け、楽しく心おきなく滑ってきてほしい」、生徒会長の前田啓太君が「卒業生が日本代表に選ばれたことを誇りに思う。思う存分、練習の成果を発揮してきてください」と激励した。
鶴岡選手は同校在学中の思い出を交えながら「これから進路を決める皆さんは、思い通りにいかず、つらい事もあると思う。それをこらえ、やりたいこと、信じることを心に持つことが大事。次は皆さんがここで自分の経験を後輩に伝えてほしい」と呼びかけ、「トリノでは見ている人が熱くなるような滑りを見せたい」と活躍を誓った。
鶴岡選手は10日にヨーロッパへ出発し、ミラノ周辺のコースで調整した後、選手村へ入る予定。
トリノ五輪へ出場する鶴岡選手(左)へ激励金と花束が贈られた
2006年(平成18年) 2月5日(日)付紙面より
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酒田信用金庫(本部・酒田市本町三丁目、谷義雄理事長)が、財務基盤の強化を目的に、信金の中央金融機関・信金中央金庫(本店・東京都)から「優先出資」を受けることが分かった。不良債権処理費用の増大によるもので、谷理事長ら代表理事3人は経営責任を取る形で退任し、後任の理事長は信金中央金庫から招く方針。6日午後に臨時総代会を開催し、優先出資発行に伴うものなど定款の変更、理事選任など関連議案を提出する。
優先出資は、信用金庫のほか信用組合、労働金庫、農協、漁協など「協同組織金融機関」が自己資本充実を図るため、会員からの普通出資を補完する形で、会員以外の一般から出資を募るもの。
酒田信金が公表した昨年9月末現在のディスクロージャーによると、金融機関の健全性を表す自己資本比率は6・13%程度で、国内基準で求められている4%以上は上回った。ただ、昨年秋には大口取引先の建設機械卸・整備会社が自己破産を申請するなど不良債権がふくらみ、05年度決算で自己資本比率の低下は避けられない状況。
9月現在の不良債権残高は、「破産更生債権・準ずる債権」18億100万円、「危険債権」12億5100万円、「要管理債権」46億3100万円の計約76億8300万円。預金残高は509億3300万円、貸出金残高は399億6500万円。
優先出資を受けることについて、酒田信金では「出資の一部は貸倒引当金に計上する予定。内部留保を厚めにし、顧客へのサービス向上、地域企業への貢献に向け態勢を整えることが目的」と話している。
酒田信金は1951年4月に酒田信用組合として創業。2002年6月には余目町(当時)に本部があった庄内信用組合と合併した。04年8月にみずほ支店を東大町支店へ統合したのを皮切りに、昨年9月には2支店を閉鎖した。現在は酒田市内に6店舗(本店含む)、庄内町に1店舗がある。