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2007年(平成19年) 1月7日(日)付紙面より

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合併の是非 争点に 「三つ巴」構図固まる 三川町長選

 任期満了に伴う三川町長選(今月23日告示、28日投開票)は、5日に前町議の梅津泉氏(74)=横山=が合併推進の立場で立候補を正式に表明し、自立の町づくりを主張する現職の阿部誠氏(54)=押切新田=、鶴岡市との合併推進を訴える前町議の佐久間修一氏(58)=東沼=との三つ巴(どもえ)の選挙戦の構図が固まった。昨年11月の出直し町長選に続き、鶴岡市との合併の是非が最大の争点に位置付けられる。候補者の顔ぶれが出そろい、激しい前哨戦に突入した。

 阿部氏は12月定例町議会で「一部事務組合解散などの問題を解決するため早急に方策を示し、夢ある町づくりを町民と一緒に進めていきたい」と立候補を表明した。

 佐久間氏は12月定例会閉会後、合併推進の立場で立候補を表明。「町民へきちんと選択肢を提示したい」と出馬への意欲を示し、先月31日付で町議を辞職した。

 梅津氏は合併推進派でつくる「明日を築く議員の会」と「合併を進める町民の会」の要請を受け、町長選出馬を決意、同31日付で町議を辞職した。5日の記者会見では「一部事務組合の問題や町財政の厳しさについて町民へ訴え、周囲の市町から失った信頼を回復したい」と語った。

 昨年11月の出直し町長選と同じく、「合併の是非」が選挙の争点になるが、今回は鶴岡市から申し入れがあった消防と衛生の両一部事務組合の解散問題への対応が加わる。

 鶴岡市が合併特例債を活用した消防庁舎の移転・新築を予定していることを受け、現職の阿部氏は「解散はやむを得ない」として業務委託を望んでいる。しかし、鶴岡市は「業務委託でも期限付き。消防、衛生とも将来的には三川町が単独でやるべき」と主張する。

 委託で決着した場合でも、現在の組合負担金に比べ委託費が大幅増になるのは確実で、財政負担が町に重くのしかかることも予想される。先の出直し町長選で「自立後」の具体像に踏み込まなかった阿部氏が町民にどのような説明をするかにも注目が集まる。

 一方、「議員の会」と「町民の会」は阿部氏への対抗馬として、昨年末から町内の団体職員などに出馬を要請したが、固辞され人選が難航。消去法で行き着いたのが現職町議からの候補者擁立だった。結局、2004年秋に当時の町議会解散を求める住民運動の中心的役割を果たした梅津氏が「合併派代表」として立候補を決意した。

 その後、合併推進派の分裂を危ぐした町民の会から「一本化」を求める声が上がり、両会で調整を進めた。正式表明直前に梅津氏が出馬取りやめの意向を示すなど混乱もあったが、最終的に両会とも「梅津氏支持」を決定した。

 先に町議を辞職した佐久間氏は当初、両会からの支援を期待していたが、独自に後援会を立ち上げ、選挙戦に臨むことになった。町長選に過去2度立候補している知名度も生かしながら選挙を戦うことになりそうだ。

 佐久間、梅津の両氏は「町財政は厳しく、合併は避けられない」と、ともに合併推進の立場だが、佐久間氏が「合併は1―3年の期間をみるべき」と慎重な姿勢を見せるのに対し、梅津氏は「遅くとも来年度末までの合併を実現したい」と話すなど、合併に臨むスタンスに違いがある。

 リコール成立に伴う一昨年2月の町議選で「合併」、昨年11月の出直し町長選で「自立」を選択、合併の是非で揺れ続けた三川町の有権者が3度目の選挙でどのような判断を下すか注目される。



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