2007年(平成19年) 12月12日(水)付紙面より
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庄内地方の各蔵元で「新酒」の仕込み作業が盛んに行われている。間もなく出荷され、しぼりたての香り高い新酒を味わうことができる。
新酒の仕込みは早い酒蔵だと10月中旬ごろから始まる。洗米、蒸米、麹(こうじ)造り、酒母造りなど約40日間の作業を経る。
鶴岡市の大山地区にある創業約230年の老舗「冨士酒造」(加藤有慶社長)では11月初旬から仕込みが始まった。11日午前中は杜氏(とうじ)を中心とした蔵人たちが忙しそうに作業に追われていた。
一定の温度に保たれた麹室で蒸米を丁寧にほぐしながら麹菌をふりかけ、さらしに包んだり、タンクに3日間かけて出来上がった麹と蒸米を合わせる留仕込み作業を行っていた。
同蔵元では「例年より米の甘みが良く、おいしい酒が出来上がると思う」と話していた。同社の新酒の出荷は今月15日ごろから。
蒸米に麹菌をふりかける蔵人
2007年(平成19年) 12月12日(水)付紙面より
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海岸部に流れ着くごみの漂流経路などを探るため、環境省が酒田市の赤川河口から生分解性プラスチック素材の漂流ボトルを放流する調査事業を行うことになった。ごみの調査のため実際に漂流物を放流するのは全国初の試みという。全国2カ所で実施するモデル調査で、赤川では今月15日に1回目の放流を予定する。漂流ボトルには発見した場合に連絡を受けるための電話番号などを印字し、沿岸住民らの協力でボトルが流れ着く場所を追う。
同省が本年度から進める「漂流・漂着ゴミに掛かる国内削減方策モデル調査」の一環。この調査事業では酒田市の飛島と赤川河口部など全国7県の11海岸をモデル地域に、漂流・漂着ごみの状況把握や発生源対策、効率的・効果的な回収・処理方法を検討している。
放流調査は、漂流・漂着ごみの発生源や流れ着く経路を調べる目的で、赤川と三重県鳥羽市の河口部の2地域を対象に実施する。環境省東北地方環境事務所によると、波浪の激しい冬季の日本海側の状況を検証するために赤川が選定されたという。
計画では2回に分けて1カ所当たり計100本を流し、1回目は黄色のラベル、2回目は青いラベルのボトルを放流する。赤川の2回目は、1回目と対比させるため、大雨時など大量の出水がある時期に実施する予定となっている。
漂流ボトルは容量500ミリリットル、高さ約20センチで、一般的なペットボトルと同じ形。素材は自然界の作用で分解される生分解性プラスチックを用い、回収されなかった場合に周辺環境に悪影響を与えないよう配慮した。同事務所は「海岸に漂着したものは半年から1年ほどで分解される」としている。
放流調査については、山形県のほか、海流の影響で北上する可能性があるため秋田県にも連絡し、両県を通じて沿岸市町村などの住民に周知してもらい、調査への協力を呼び掛けていくことにしている。今回の調査について、東北地方環境事務所は「海岸の漂着ごみは国内の河川から出るものもあれば、海外から流れ着くものもある。河川の場合はどのような経路で漂着するのか。そうしたことを調べたい」と話している。