2007年(平成19年) 12月15日(土)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高校(保科悟校長、生徒178人)の3年生が14日、酒田市立内郷小学校(石黒誠一校長、児童89人)を訪れ、AED(自動体外式除細動器)を使った救急法の出前授業を行った。
同高校では、命の教育の一環として、海洋環境科の授業に日本赤十字の「救急法」を取り入れている。出前授業は、生徒たちの学習効果の向上を図るとともに、AEDの啓もう普及活動として実施された。
この日は、同科マリン系3年生13人と5、6年生児童30人が参加。はじめに生徒たちは4班に分かれ、手作りした資料で「服の上からAEDをかけても効果がない」「AEDの使用期限は1年から5年くらい」などと分かりやすく説明した。
続いて、心肺蘇生訓練用人形を使用して実技講習が行われた。児童たちは、救助の求め方や心臓マッサージなどAEDを使用する際の一連の動作を生徒のアドバイスを受けながら学んでいた。
水高生がAEDを使用した救急法を児童たちに教えた
2007年(平成19年) 12月15日(土)付紙面より
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庄内浜の秋ザケの水揚げ量が平年の半分以下にとどまる「不漁」となっている。当初は高い海水温のためとみられたが、水温が下がってからも回帰量は増えず、原因は分かっていない。漁獲量を反映して価格も上昇しており、ハララゴなどは高値で推移している。
庄内浜では秋ザケのほとんどが定置網漁で水揚げされる。9月下旬に漁が始まり、年末まで続く。過去3年間は漁獲量が高い数字で推移していた。
県水産試験場によると、10月の漁獲量は1万9985匹と昨年の2万5744匹の78%と低調。11月は2万8666匹と前年の4万9077匹の38%とさらに落ち込んだ。12月に入ってからはやや持ち直し、昨年を上回る水揚げとなっているが、今月10日までの総漁獲量は5万6929匹で昨年の46%にとどまっている。
不漁の原因について県水産試験場は当初、9月の海水温が平年より1度程度高かったのが原因とみていた。しかし、例年回帰数が急増する10月下旬と12月上旬の2度のピークの水揚げ量も平年に届かなかった。
サケは1年おきに好不調を繰り返すカラフトマスと違い、生まれた年による法則性はないという。今年秋に回帰するのは2004年に海に下ったサケがほとんどだが、その年、餌となるプランクトンが少ないなどサケが育つ環境の悪化を示すデータはなく、原因は不明のままだ。
サケの不漁は庄内に限らず、北海道など日本海沿岸全体の傾向だ。庄内の河川におけるサケの捕獲数も10月は平年の33%、11月が67%とやはり平年を大きく下回っている。
サケ漁の不振でサケの価格も上昇している。酒田市内などの鮮魚店で組織する酒田水産物協同組合の佐藤茂理事長は「やはり高い。去年のハララゴの卸売価格は、1キロ当たり2000円ほどだったが今年は3000円ぐらい。地元の生ザケ、北海道などから入ってくる新巻鮭も高い」と話す。
鶴岡魚市場手塚商店の手塚太一専務は「市場価格は例年より高いが、消費者のニーズもあり、スーパーなどでは小売値はそれほど上げないようにしているのでは」と見ている。
庄内浜の今年のサケ漁は不振のまま終わりそう=10月、鶴岡市由良で
2007年(平成19年) 12月15日(土)付紙面より
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鶴岡市が全面改築事業を進めている鶴岡第二中学校(柿崎泰裕校長)の校舎と体育館が今月中に完成し、来年1月の3学期から真っ白な外観の新校舎で授業がスタートする。この後、現校舎、体育館を解体した跡地にグラウンドを整備し、来秋に竣工を迎える予定。
鶴岡二中の旧校舎と屋内運動場は1960(昭和35)年に完成。旧鶴岡市で6つある中学校の中では最も古い校舎となっていた。
新しい校舎と体育館は敷地内のグラウンドだった場所に建設。校舎は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積は約7600平方メートル。敷地南側の道路が国道112号北改良に伴い、将来は交通量が増加することに配慮。道路に面する南側に特別教室棟を並べ、普通教室は中庭をはさんで敷地北側に配置した。特別教室棟と普通教室棟との間には「にぎわいモール」、中庭には階段状の「だんだんテラス」を設けた。
一方、体育館は鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積約2500平方メートルの規模。1階にはアリーナ、2階には武道場とランニングなどに利用できるギャラリー、武道場の下にはピロティーを設置した。
新校舎では「エコスクール」の理念の下、地熱を利用した24時間換気システムを導入したほか、雨水を貯蔵しトイレの洗浄水などに利用することも計画されている。
年末年始休暇を利用して今年中に現校舎からの引っ越し作業を済ませる。3学期がスタートする1月7日に新校舎の「使い初め式」を予定している。
総事業費は約30億円を見込んでいる。
完成間近の鶴岡二中の新校舎