2007年(平成19年) 12月18日(火)付紙面より
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観音様のお年夜の17日、鶴岡市本町二丁目の七日町観音堂境内で恒例の「だるま市」が開かれ開運を買い求める人たちでにぎわった。
だるま市の始まりは定かではないが、一説では七日町にあった遊郭の遊女たちが「だるまのようにお客の足がなくなり何日も泊まってくれたら」とだるまを買い求めたことや、「七転び八起き」にあやかり遊女たちがつらい日々の励ましにしたとも伝えられている。
この日はみぞれが降る寒い一日となったが、午前中から多くの参拝客が境内を訪れた。軒を連ねた露店には大小さまざまなだるまをはじめ、「富や福をかき集める」という熊手やつるし飾り、招き猫などの縁起物がずらりと並んだ。参拝客は新年の開運を願いながら、一つ、二つと買い求めていた。
境内には市立朝暘一小の2年生も見学に訪れ、お参りをするとともに露店を巡って縁起物のいわれなどについて学んでいた。
小学生も見学に訪れた年末恒例の「だるま市」
2007年(平成19年) 12月18日(火)付紙面より
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酒田市東平田地区の農家女性でつくる農産加工グループ「さくらグループ」(荘司和子代表、6人)がサンザシの実のジャムを作り17日、地元の東平田小学校(土門明校長、児童82人)に寄贈した。同市の友好都市の中国河北省唐山市から寄贈され同校の中庭に植えられているサンザシを使ったもので、児童が早速、試食し、「酸っぱいけどおいしい」と歓声を上げた。
サンザシはバラ科の植物で、姫リンゴのような実を付ける。中国では古くから料理や菓子に使われ、ビタミンCを多く含むことから、最近は健康食品としても注目されている。東平田小では、1995年に唐山市から日中友好を記念して市に寄贈されたもの2本を、中庭に植えている。
さくらグループでは同校と「食農教育」を通じて交流する中、サンザシのことを知り、昨年度はジュースに加工して児童に飲んでもらった。
サンザシの加工品第2弾となった今回は、6年生15人が先月半ばに農作業用コンテナ4個半分のサンザシの実を収獲。さくらグループがこれを使い、ジャム約150パック(1個約160グラム入り)を作った。鮮やかな赤い色と、酸味のきいたさわやかな風味が特徴。
この日はさくらグループの伊藤はづめさん(69)=横代=、佐藤セイさん(64)=関=の2人が同校を訪れ、児童を代表した1年生2人に、全校児童と教職員分など合わせて110パックを贈った。
早速、パンに付けてジャムを試食すると、1年生たちは「酸っぱいけど、おいしい」「ヨーグルトと一緒に食べるとおいしいそう」と喜んでいた。
さくらグループの伊藤さんは「水と砂糖の量に苦労した。子供たちとの交流で元気をもらっている。市販は今のところ考えていないが、将来的に地区の特産品になれば」と話していた。
東平田小の児童代表にサンザシジャムを寄贈する伊藤さん
2007年(平成19年) 12月18日(火)付紙面より
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環境省は15日、海岸部に流れ着くごみの漂流経路などを調べる漂流ボトルを使用した調査のため酒田市浜中の赤川河口でボトルを放流した。全国2カ所で実施するモデル調査で、漂着ごみの調査のため実際に漂流物を放流するのは全国初の試みという。
同省が本年度から進めている「漂流・漂着ゴミにかかる国内削減方策モデル調査」の一環。放流調査は、漂流・漂着ごみの発生源や流れ着く経路を調べることが目的で、赤川と三重県鳥羽市の河口部の2地域を対象に実施する。
漂流ボトルは容量500ミリリットル、高さ約20センチで、一般的なペットボトルと同形。素材は自然界の作用で分解される生分解性プラスチックを用い、回収されなかった場合に周辺環境に悪影響を与えないよう配慮した。
計画では2回に分けて1カ所当たり計100本を流し、1回目は黄色のラベル、2回目は青いラベルのボトルを放流する。赤川の2回目は、1回目と対比させるため、大雨時など大量の出水がある時期に実施する予定となっている。
この日は、同省から委託を受けた東京都港区の日本エヌ・ユー・エスの調査員3人が放流を実施。袖浦橋の上から5回に分け、ロープを結んだ漂流ボトル入りのコンテナを降下させ、ボトルを川に流し入れていた。
漂流ボトルは16日から回収する。発見した場合に連絡を受けるための電話番号などを印字しており、沿岸住民らの協力でボトルが流れ着く場所を特定するという。
漂着ごみの調査のため赤川に漂流ボトルを放流