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荘内日報ニュース


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2007年(平成19年) 12月27日(木)付紙面より

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かまぼこ作り盛ん 鶴岡名物は「よしの巻き」

 正月のおせち料理に欠かせないかまぼこ作りが、庄内地方の各専門店で盛んに行われている。

 正月用のかまぼこは地方によってさまざまな味や形がある。鶴岡市では、卵ベースの土台に魚のすり身をはさんで巻いた「よしの巻き」と、海藻のアラメを使った「あらめ巻き」が名物。

 同市本町一丁目の老舗「滝川蒲鉾」では、25日から正月用の製造がピークを迎えた。連日、職人たちがフル回転で作業にあたっており、早朝から深夜まで休む暇もないという。

 同店で作るよしの巻きは、卵とすり身を混ぜて焼いた土台に飾り細工を入れ、別のすり
身をはさんで巻きすで巻き、最後に蒸し上げて出来上がり。ベテラン職人が一つ一つ手間暇かけて作るため、あらめ巻きとともに要予約の限定品。

 同店の滝川義朗社長は「食品添加物をできるだけ使わず、しこしこ感のある製品を作るよう心掛けている」と話していた。同店で最も出回る紅白かまぼこやだて巻きは店頭販売のほか、市内の各スーパーなどで販売される。

正月に向けて鶴岡独特の「よしの巻き」作りが急ピッチ
正月に向けて鶴岡独特の「よしの巻き」作りが急ピッチ


2007年(平成19年) 12月27日(木)付紙面より

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JR羽越本線大惨事から2年 しめやかに慰霊祭

 庄内町榎木で発生し38人が死傷したJR羽越本線特急「いなほ14号」脱線・転覆事故から丸2年を迎え、追悼慰霊式が25日、同町の響ホールで行われた。遺族らが祭壇に献花し犠牲者の冥福を祈るとともに再発防止を誓った。事故発生時刻の午後7時14分には事故現場付近に建つ慰霊碑で参列者が黙とうをささげた。

 追悼の意を込めようと同社が主催。遺族と負傷者、同社関係者ら計約320人が参列した。ステージ上には鎮魂を表した白い球体、それを囲むように配置された遠く望む鳥海山と白く雪に覆われた庄内平野、旧余目町の花・ヒマワリを模した祭壇が設けられた。

 最初に国土交通省鉄道局の大口清一局長が「公共交通機関における、最も基本的な使命は輸送の安全の確保であると認識を新たにしている。もう二度とこうした事故を起こしてはならないという決意の下、事故原因の究明と再発防止策に万全を期すべく、引き続き全力を尽くすことが課せられた責務」と、冬柴鐡三国土交通大臣の追悼のことばを代読した。

 同社の清野智社長は犠牲者一人一人の名前を読み上げた上で、「今後も長く続く信頼回復への道だが、経営の最重要課題として安全と安心をお客さまに提供することを掲げ、この事故を風化させることなく将来への教訓とし、このような事故を二度と起こさないことを誓う」と追悼の辞を述べた。

 遺族代表として犠牲者の一人、畠山学さん=当時(42)=の妻・友子さん(秋田県にかほ市)が壇上に上がり、「なぜ事故が起きたのか、なぜ大惨事になったのか。風速計だけに頼らず、減速したり止めることができたなら、犠牲者が出ることはなかった。事故原因の解明、詳しい報告を待ち望んでいる」と早期の事故原因解明を望み、「無言の帰宅をした夫の目には涙があふれていた。子供たちには『一緒に生きられなくてごめん』、私には『子供たちを頼む』と、涙で気持ちを伝えたかったのだと思う。苦しい時はその涙を思い出す。あなたの分も一日一日を大切に生きていかなければ」と語った。

 引き続き、胡弓演奏家の楊興新(やん・しんしん)さんによる献奏が会場を包み、参列者全員が白いカーネーションを献花した。

 慰霊式終了後、会見した清野社長は死傷者との補償交渉について「負傷者は一部済んだ人もいるが、遺族に関してはすべてこれから。話し合いをしている最中」と語った。
 また、事故発生時刻の午後7時14分、同町榎木の事故現場付近に建つ慰霊碑前には1遺族の4人のほか、清野社長はじめ同社関係者約50人が訪れ、黙とうをささげた。

 一方、事故原因について国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)は、各種実験データなどを基に原因の解明を進めている。風工学などの専門家が竜巻・ダウンバーストの発生が原因と指摘しているが、まだ結論は出ていないもよう。業務上過失致死傷の疑いもあるとみて捜査を進めている県警脱線事故捜査本部は、事故調による最終報告書、警察庁科学警察研究所の鑑定結果などを基に立件可能かも含め、総合的に判断する方針。

遺族を代表し畠山学さんの妻・友子さんが「慰霊のことば」を述べた=代表撮影
遺族を代表し畠山学さんの妻・友子さんが「慰霊のことば」を述べた=代表撮影


2007年(平成19年) 12月27日(木)付紙面より

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灯油暖房とコスト比較 木質ペレットストーブ 農業用ハウスで実証試験 原油高騰受け

 花などを栽培する農業用パイプハウスの暖房に、木質ペレットストーブを使う実証試験が、酒田市小牧で行われている。現地で26日、説明会が開かれた。今後、データを集計して灯油暖房機を使用した場合と比較し、コスト削減に結び付くかなどを検証する。

 木質ペレットは、おがくずや廃材などを粉砕、圧縮、成型した固形燃料。貯蔵が容易で扱いやすく、自動運転装置に適していて燃料供給の手間が省けるなどの利点がある。植物由来のため燃やしても炭酸ガス発生にカウントされず、環境に調和する燃料としても注目されている。

 庄内地方では渡会電気土木(本社・鶴岡市、渡会昇社長)が、マツクイムシの被害で枯れた地元のクロマツを原料に、長さ2・5センチほど、直径0・7センチのペレットを製造、販売している。

 県庄内総合支庁、酒田市、庄内みどり、酒田市袖浦両農協、渡会電気土木で構成する地域エネルギー導入検討協議会(事務局長・前田茂実酒田市農政課長)は、原油価格の高騰で燃料の灯油代が上がり、経営を圧迫しているハウス農家の生産コスト削減と、需要時期に合わせた出荷を可能にするため、農業用木質ペレットストーブの導入を計画した。

 市販のまきストーブにも設置できるペレットバーナー(燃料供給システム)を開発した阿蘓武さん(58)=酒田市郡山=の協力を得て今年1月から燃焼試験を行い、実用化にめどをつけた。
 実証試験は今月15日からスタート。ストックを栽培しているハウスで、まず灯油暖房機の燃料消費量を1週間にわたって調べた。ペレットストーブによる加温は22日に開始。28日まで行い、ペレットの消費量やハウス内の温度などのデータを集め、灯油暖房機とのコストなどを比較する。渡会電気土木が行った燃焼試験では、木質ペレットのランニングコストは、灯油の3分の2で済むという結果が出ている。

 実証ハウスの所有者の齋藤勝彦さん(50)=同市小牧=は「思ったほど手間がかからない」と感想。価格が10万円ほどなら購入する考えを示した。
          

ペレットをバーナーに投入する開発者の阿蘓さん
ペレットをバーナーに投入する開発者の阿蘓さん



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