2007年(平成19年) 3月11日(日)付紙面より
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鶴岡市の出羽庄内国際村・アマゾン民族館(山口吉彦館長)の特別企画展「多民族国家インドネシア文化展」が10日から始まった。初日はオープニングセレモニーが行われ、家族連れなど大勢の見学者が訪れた。
赤道直下のインドネシア共和国は大小1万3700の島で構成され、約2億4000万人が住む世界第4位の人口大国。ニューギニア島のパプア州(旧イリアンジャヤ州)と山形県は1994年に姉妹州県を締結している。
今回の企画展は同共和国のジャワ島、バリ島、スマトラ島、スラウェシ島(セレベス)、ニューギニア島(パプア州)の5島について、それぞれの民俗や文化を取り上げた。
会場では各島ごとに展示コーナーを分け、ジャワ島のろうで模様を描いた民族衣装、バリ島の聖獣を現す仮面や舞踊衣装、スマトラ島の弦楽器や民族衣装、スラウェシ島の鎧(よろい)や首飾り、ニューギニア島の弓矢などの狩猟道具など、大小さまざまな展示品約500点が並べられた。
オープニングイベントでは、パプア州ケーロム郡のセルシウス・ワタエ郡長や富塚陽一鶴岡市長、山口館長などによるテープカットが行われ、続いて山口館長が来場者へ展示品について解説した。来場者は解説を聞きながら、異国の文化に理解を深めていた。特別展は来年2月14日まで。
このほか、国際村ホールでケーロム郡の「ワリス伝統舞踊団」によるダンスステージや、同郡の紹介などが行われた。
インドネシア共和国の魅力を伝える特別展が始まった
2007年(平成19年) 3月11日(日)付紙面より
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雛(ひな)人形を通じた交流や貴重な地域資源としての活用などを探る「お雛さまシンポジウム?ひいなの縁(えにし)が結ぶ交流」が9日、東京第一ホテル鶴岡で開かれた。庄内、内陸、新潟県村上市で雛人形による観光振興に取り組む人たちが、それぞれの活動や受け継がれてきた雛人形の魅力などについて語った。
庄内地方で開催中の広域観光事業「庄内ひな街道」の関連事業として庄内コンベンション協会が企画し、市民ら約370人が参加した。国立科学博物館理工学研究部主任研究員の鈴木一義さんが「遊びと江戸文化?人形のたどった道」の演題で基調講演した後、パネルディスカッションが行われた。
「街と街・人と人を結ぶお雛さまの縁」のテーマで、パネラーは鶴岡市の致道博物館学芸員の酒井賀世さん、酒田市の本間美術館常任理事の本間万紀子さん、大石田町立歴史民俗資料館学芸員の関淳一さん、村上市の村上町屋商人会会長で観光カリスマの吉川真嗣さんの4人。
酒井さんは庄内藩酒井家に代々受け継がれ、致道博物館に展示している「有職雛」や芥子(けし)雛」など大名家ならではの雛人形や雛道具を紹介し「お雛さまの出し入れを手伝い習ったことが今の仕事につくきっかけでもあった」と語り、本間さんは旧本間家本邸に飾られた「相生雛」や「六歌仙」など豪商家に代々伝わる雛人形を紹介し、「お雛さまを通じて物を大切にする心を学び、次代につないでいかなければと感じている」と話した。
大石田では、江戸時代に内陸への玄関口として栄え数多くあった船問屋に伝わる雛人形を公開しており、関さんは「紅花を京へ送り、その代わりの物資として雛人形も京から入ってきた」と説明。村上では60店ほどの古い町屋を公開し、「町屋の人形さま巡り」には多くの観光客が訪れている。仕掛け人の吉川さんは「観光客は町屋の人たちとの交流を楽しみにしており、3割近くがリピーター。人形を通じた人のふれあいがこの催しを支えている」と事例紹介した。
一方、庄内の歴史や文化、自然、食などの情報を紹介できるタクシードライバーを育成、認証する「庄内ガイドライバー」の第1回研修会が9日に行われ、認証を目指す33人がシンポジウムを受講。開催中の庄内ひな街道について理解を深めた。
お雛さまがもたらす縁について語り合った