2007年(平成19年) 3月16日(金)付紙面より
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卒業式に手作りコサージュを―。鶴岡市羽黒町の花愛好グループ「冬に花を咲かせる会」(柏倉真一郎代表、会員27人)は15日、町農村センターで羽黒中の3年生が16日の卒業式で胸に飾るコサージュ作りに取り組んだ。
同グループは1993年に地域住民で結成。研修会などを行いながらメンバーが自宅でシンビジウムやランなどの栽培を楽しんでいる。数年前からは、育てた花でコサージュを作り、羽黒中卒業生に贈っている。
この日は会員たちが持ち寄ったシンビジウムやカトレアに、カスミソウや葉物をあしらい約100個を仕上げた。会員は「コサージュを胸に気持ちよく卒業式を迎えてもらえれば」と心を込めて作っていた。
羽黒中卒業生に贈るコサージュを手作りする会員
2007年(平成19年) 3月16日(金)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺住職で總持寺副貫首の斉藤信義氏(89)がこのほど、自らの半生を振り返り、禅について語り下ろした「〈慈悲の坐禅〉を生きる―世界に発信する禅」(春秋社)を刊行した。
斉藤住職は1918年大蔵村生まれ。東京大文学部印度哲学梵文学科卒、同大学院修了。鶴岡高専学校長、長岡技術科学大学長事務取扱、總持寺監院など歴任。現在、長岡技術科学大名誉教授、東北公益文科大評議員などを務めている。
「〈慈悲の坐禅〉を生きる」は、「私の半生―禅のこころざし」「善寳寺と海洋の道」「禅とは何か」「日本と世界の未来」の4章で構成。自身の生い立ちや、禅や人々との出会いと修行の日々、長岡技術科学大創設や總持寺監院時代のエピソードなど半生を振り返るとともに、善寳寺と龍神信仰、現代における宗教間対話の可能性や異文化理解の大切さ、そして日本や宗教の未来の考察をインタビュースタイルでまとめている。
斉藤住職は巻頭で2001年9月11日の同時多発テロ事件に触れ、「人類が営々と積み上げてきた自然科学と技術の発展への問題提起でもあったと思います」と書き出し、イラク問題やパレスチナ問題など今日の世界を危惧する。
斉藤住職は「今、世界が『慈悲』を求めている。仏の慈悲とは『温かいこころ』であり、ホスピタリティということ。それは上からのサービスではなく、相手の立場になって共に歩むことであり、そうした禅の教えの実践をもっと世界に発信していかなければならない」と語った。
四六判、208ページ。1600円(税別)。鶴岡市の各書店などで扱っている。
刊行本「〈慈悲の坐禅〉を生きる」を手にする斉藤住職