2007年(平成19年) 3月4日(日)付紙面より
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酒田市の国登録有形文化財「旧山王くらぶ」(日吉町二丁目)で3日から、古くから酒田に伝わる「傘福(かさふく)」の展示が始まった。訪れた人たちが港都の華やかなひな飾りを堪能している。
傘福は江戸時代に伝わったとされ、桃の節句など祝い事の際の「つるし飾り」。着物の端切れを使って作ったイヌやフクロウ、庄内柿、亀などの布細工を糸に連ね、傘の下につるす。ひなまつりの風習として伝えられていたが、姿を消しつつあった。
酒田商工会議所女性会(白旗月美会長)が後世に引き継ごうと、昨春の「庄内ひな街道」で初めて展示。約1カ月間で7000人以上が見物に訪れたという。
今春は約2メートルの高さに1000個以上の布細工が下がった傘福、福岡県の「さげもん」と静岡県の「雛(ひな)のつるし飾り」なども展示している。
4月3日までの期間中は土、日曜日に傘福作り体験(有料、要予約)も行っている。問い合わせは同女性会=電0234(22)9311=へ。
壮観で華やかな「傘福」が訪れた人たちを魅了
2007年(平成19年) 3月4日(日)付紙面より
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庄内地域産学官連携推進会議(会長・高橋節県庄内総合支庁長)の研究成果発表会が2日、三川町のなの花ホールで開かれ、「アカエビ代替餌料」や「四輪駆動車いす」の開発など、産学官の5つの連携プロジェクト活動が報告された。
地域産業のレベルアップを目的に、県庄内総合支庁の呼びかけで2001年に発足。山形大、東北公益文科大など大学機関と、水産試験場や農業研究センター、工業技術センターなど県の試験研究機関、企業や経済団体などで構成。研究会を組織し、新製品や新技術の開発を進めている。
発表会には関係者約80人が出席。タイのはえ縄漁のアカエビの代替餌料、福祉用具の四輪駆動車いす、建具技術活用新製品、果実の食べごろ判定機開発、高付加価値加工食品開発の5つの取り組みを発表した。
このうち、2001年から研究が始まったアカエビ代替餌料は、コンニャクと水産加工場から出る魚介類の内臓を活用したもの。本年度は機械で量産した代替餌を使ったタイはえ縄漁の試験操業が行われた。同研究会は「漁業者へのアンケートの結果、7割ほどから一定の評価を受けたが、餌が取れやすいという不満も多かった」と報告。「さらなる改良と、タイ以外の魚や釣り船への需要拡大が必要」と課題を話した。
在宅介護の場での実用化を目指す四輪駆動車いすは、多少の段差は容易に越えられるようにしたもの。本年度はフレームをアルミにして車体を軽量化し、折りたたみできるように改良。伝導クラッチを切ることで旋回、後進操作をしやすくした。製作担当者は「前輪、後輪の専用車輪の製作やコストダウンが実用化への課題」と話した。
四輪駆動の手動車いすで段差越えを体験