2007年(平成19年) 4月17日(火)付紙面より
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鉄道マニアに人気のディーゼル機関車「DD53」がけん引する「ばんえつ物語号」が14、15の両日、羽越本線の新潟―酒田間で運行された。各停車駅には大勢のファンが訪れ、記念撮影を楽しんだ。
「DD53」は旧国鉄が製造したディーゼル機関車で、今でもマニアの間で高い人気を持つ。新潟と福島を結ぶJR磐越西線で定期運行している「ばんえつ物語号」は、このほど欧州の長距離列車・オリエント急行をイメージして客車をリニューアル。そのお披露目をかねて今回、JR東日本新潟支社が乗車ツアーを企画した。
初日の14日は午前中に新潟の新津駅を出発。昼すぎにあつみ温泉駅に到着、約30分停車し、待ちかねた列車愛好者が写真撮影を楽しんだ。ホームでは、あつみ温泉観光協会の関係者が孟宗(もうそう)汁やエビ汁を提供したり、温海地域特産でこの日限定という「弁天鱒寿司」を販売。弁天太鼓のメンバーが列車の到着と同時に威勢良く太鼓を打ち鳴らし、ツアー客を出迎えた。
今回の乗車ツアーに参加した親子は「とても記念になる。またこのような楽しい列車の旅を企画してほしい」と笑顔で話していた。
けん引する「DD53」と客車の「ばんえつ物語号」を記念撮影する愛好者=14日、あつみ温泉駅
2007年(平成19年) 4月17日(火)付紙面より
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旧武家屋敷の庭園を眺めながら藤沢周平作品を読み、海坂(うなさか)藩のイメージを思い描こうという「まちなか朗読会」が14日、鶴岡市家中新町の菅家で開かれた。 菅家は、旧庄内藩の重臣・菅実秀が、藩主の酒井家から拝領した御用屋敷。庭園の築山には樹齢350年の老松やしだれ桜、ツツジなどが植栽され、江戸中期の作庭様式がそのまま保存されている。庄内地方では指折りの遠州流の名園といわれている。
今回の朗読会は、長い時をへてたたずむ旧武家屋敷の建築空間を多くの人と共有し、海坂藩の世界に浸ってもらおうと、つるおかルネサンスの会(大河内恭仁子代表)が菅家の協力を得て企画した。
この日はあいにくの雨模様となったが、鶴岡市を中心に酒田市などから藤沢作品の愛好者合わせて約30人が出席した。元NHKチーフアナウンサーで荘内日報論説委員の中里欣一さんや、大河内代表など会員たちが「潮田伝五郎置文」「山桜」の藤沢作品2編を朗読した。
静かな会場で風景イメージ
「霧がある。…」といった印象的な場面から始まる「潮田伝五郎置文」は、恋のために因縁の相手と決闘することになり、その結果自決の道を選んだ青年藩士の姿を描いた作品。
時折、雨風の音だけが聞こえる会場に静かな朗読の声が響き、参加者たちは海坂藩の風景に思いを馳せていた。
旧武家屋敷の菅家で藤沢周平作品の朗読会が開かれた