2008年(平成20年) 9月9日(火)付紙面より
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酒田市は7日、第六中学校を中心とした同市下安町地内で、大地震発生を想定した大掛かりな総合訓練を行った。地元住民ら約530人と消防ポンプ車など車両40台余りが参加。初期消火、火災防御、バケツリレーによる消火、ライフライン復旧、応急手当て、防災ヘリコプターによる救助などの訓練を繰り広げた。
同市ではこれまで、初期消火など主に発生対応型の訓練を小学校区単位で行ってきた。しかし、災害に対する防災体制の確立と防災意識の高揚を一層図るため、なるべく多くの市民に訓練を経験してもらおうと今年から対象を中学校区に広げ、訓練内容もより実践的、効果的なものにした。
この日は午前10時ごろ、庄内平野東縁断層帯を震源とするマグニチュード7・4の地震が発生。酒田でも震度6強を記録し、市街地を中心に広範囲に建物が倒壊、相当数の死傷者が出たほか電気、水道、ガス、電話などのライフラインに甚大な被害が発生したという想定。
訓練では初めに、酒田六中グラウンドに現地災害対策本部を設置。地元自治会、FMハーバーラジオ、酒田測候所などによる情報収集、婦人防火クラブ員や酒田六中生らによる炊き出しなどの訓練を行った。また、下安町一帯で、地元住民による倒壊したブロック塀からの救助、市下水道課による応急トイレ設置などの訓練を実施。市消防団計24隊による火災防御訓練では約500メートル離れた幸福川からホースをつなぎ放水した。
ライフライン訓練では、東北電力酒田営業所、県エルピーガス協会飽海支部、市水道部、酒田管工事協同組合、NTT東日本酒田支店の職員・会員らが、地震で被害を受けた設備などの復旧・供給を実演した。
地震で運転操作を誤り乗用車とマイクロバスが衝突し、多数の負傷者が発生したという想定の訓練では負傷者役を酒田六中生らが務め、消防隊や酒田地区医師会、日本海総合病院のDMAT(災害派遣医療チーム)が救助・救出・応急手当てなどの訓練を、本番さながらの緊迫した雰囲気の中で繰り広げた。さらに県の防災ヘリ「もがみ」が山形空港から飛来し酒田六中校舎の上でホバリング。ロープで屋上の要救助者を機体に収容する訓練も行われた。
各訓練では参加者のほかに大勢の市民が見学。有事の際の行動を、あらためて確認していた。
日本海総合病院のDMATも出動し本番さながらに行われた交通事故救助・救出・応急手当て訓練