2008年(平成20年) 9月17日(水)付紙面より
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来春卒業予定の高校生の採用活動が16日、全国一斉に解禁され、庄内地方の民間企業でも就職試験が行われた。景気の低迷が続く中、庄内地方の求人状況は若干の回復が見られるが、地元への就職を目指す高校生にとっては厳しい就職戦線が幕を開けた。
鶴岡公共職業安定所が7月末現在でまとめた来春高校卒業予定者に対する職業紹介状況によると、県内への就職希望者336人に対し、県内求人数は240人。求人倍率は0・71倍で、前年同期の0・62倍から0・09ポイントだが改善した。同職安では「求人については例年9月や10月に出されるものが早めに出てきただけなのか、新規なのかはっきりせず、まずは前年並みの数字」と話している。
一方、酒田公共職業安定所の7月末現在のまとめでは、県内への就職希望者233人に対し、求人数は240人。求人倍率は1・03倍と1倍を超え、前年同期より0・14ポイントアップした。同職安では「求人を出した事業所数は減ったが、1件ごとの人数が増えた。福祉や保安関係の求人増が目立つ」と分析している。
山形労働局が8月末現在でまとめた地域別の来春高卒者への求人数(速報値)によると、庄内地域全体の県内求人は539人で、前年同期比3・7%増とまずまずの状況となっている。
鶴岡市下山添の自動車部品製造の山形クラッチ(斎田千秋社長)では解禁日の16日、就職試験が行われ、5人の採用枠に16人の高校生が挑んだ。人事担当者から説明を受けた後、「狭き門」の突破を目指し筆記試験に取り組んでいた。担当者は「長く勤めて経験を積み、製造現場でリーダーとして従業員を引っ張っていくような人材を求めている」と話した。
企業の就職試験に挑む高校生たち=16日、山形クラッチ