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荘内日報ニュース


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2008年(平成20年) 1月13日(日)付紙面より

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雪国体験楽しんで 墨田区と朝日の児童が交流

 東京都墨田区の小学生が雪国生活を体験するふるさとわんぱく村が12日、鶴岡市朝日地域で始まった。

 旧朝日村が1987年、墨田区側に呼びかけたのをきっかけに交流が始まり、児童の相互訪問やママさんコーラスの交歓、祭りへの参加といった事業を展開。97年には友好都市の盟約を結んだ。

 児童交流は、夏休みに朝日の児童が墨田区を訪問し、冬に墨田区児童が雪国体験をする形で続いている。互いに児童の家にホームステイしながら友好を深める。

 今回のわんぱく村には墨田区から小学4、5年の男女7人が参加。朝日側は夏休みに墨田区を訪れた5、6年の6人の家族が受け入れる。

 墨田区の児童は、熊出地区の赤川左岸の白鳥広場で餌付けを体験した後、生涯学習施設「すまいる」で開村式に臨んだ。

 市朝日庁舎の佐藤敏支所長、受け皿となる朝日父母の会の伊東泰会長が「新しい友だちと友情を深めてほしい」などと歓迎の言葉を述べ、児童を代表し、大網小6年の渡部実夢さんが「朝日でしかできない体験をしてほしい」、墨田区曳舟小5年の内田早紀さんが「楽しく仲良く3日間過ごしたい」とあいさつ。その後、墨田区の児童はホールでもちつきに挑戦した。

 墨田区の児童は「スキーが楽しみ」「白鳥の餌付けが楽しかった」などと話していた。墨田区児童は雪遊びスキーやそば打ちなどを体験し、14日に帰京する。

朝日の父母の指導でもちつきに挑戦する墨田区児童
朝日の父母の指導でもちつきに挑戦する墨田区児童


2008年(平成20年) 1月13日(日)付紙面より

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合祭殿の防火工事完了 放水銃設置し保全強化 出羽三山神社

 鶴岡市の出羽三山神社(緒方久信宮司)の三神合祭殿防災工事が完了した。合祭殿のかやぶき屋根を火災から守る散水設備や、積雪対策として高さ約2・7メートルの高位置から消火ができる放水銃などを設置、貴重な文化遺産の継承を図る。

 同神社の本社は1796(寛政8)年と1811(文化8)年の2回にわたり火災で焼失。現在の合祭殿は1818(文政元)年に完成したもので、当時動員された大工は3万5000人余に達したという。羽黒派古修験道独自の造りで、建設当時は赤松脂塗だったが1970―72年にかけ開山1380年祈念奉賛事業の一環で塗り替え修復工事が行われ、現在の姿となった。2000年に国の重要文化財に指定された。

 防災工事は、日本最大とも言える貴重なかやぶき屋根の保全と後世への継承を大きな課題とし、文化庁や県、鶴岡市の補助を受けて2004年7月から4カ年計画で実施された。

 主な設備として▽参集殿でのボタン操作により、かやぶき屋根を火の手から守る散水設備▽積雪対策として4基の地上ギア式高位置放水銃▽1人で操作が可能な易操作型の屋内消火栓2基▽停電時のリスクを考慮したディーゼルエンジン式の消火用加圧ポンプ▽消防隊が使用するサイズと同じ65ミリ口径の地上テコ式放水銃1基―など。いずれも景観を損なわないように色調・デザインまで配慮している。

 このほか、五重塔付近の2本の杉木に取り付けられた避雷針が改修された。昨年末にすべての工事が完了した。総事業費は1億7056万円。

 同神社では「国や県、市など関係機関の協力で防災体制を整えることができた。貴重な文化遺産を後世に伝えるため、不測の事態にもしっかりと対応できるように日ごろから注意をしたい」と話していた。

積雪対策として高位置放水銃4基を設置=山形空調提供
積雪対策として高位置放水銃4基を設置=山形空調提供


2008年(平成20年) 1月13日(日)付紙面より

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慶應義塾先端生命研と国立長寿医療センター研が共同 アルツハイマー早期診断法開発へ

 鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(冨田勝所長)と、国立長寿医療センター研究所(愛知県、田平武所長)の滝川修省令室長のグループは、メタボローム解析技術を応用し、血液や尿などからアルツハイマー病の生態情報を示す物質(バイオマーカー)を見つけ出す共同研究に着手する。アルツハイマー病特有のバイオマーカーが発見できれば早期診断、治療につながることが期待される。11日、両研究所が鶴岡メタボロームキャンパスで記者会見し、発表した。

 現在、アルツハイマー病診断の一つとして、脳に蓄積するアミロイドタンパクを陽電子放出断層撮影(PEТ)する画像診断方法がある。しかし、PEТ装置は1台数億円と高価で導入している医療機関が少ない上、発症が疑われる段階で診断することが多い。早期の発見に課題があり、簡単で安価な診断方法の開発が望まれている。

 共同研究では、慶應先端生命研の曽我朋義教授らの研究グループが開発し、一度に数千個の代謝産物を定量解析できるキャピラリー電気泳動―質量分析計(CE―MS)によるメタボローム解析技術を応用する。

 アルツハイマー病を発症したマウスと健常なマウスの血液や尿、脳組織を測定、比較するなどし、アルツハイマー病特有のバイオマーカー(低分子代謝産物)を見つけ出す。

 さらに、発症前の変動や軽度認知症からの移行過程で変動する代謝産物の測定もできれば、早期診断、予防法や治療薬開発に有用となる。また、同医療センター研究所などが開発しているワクチンの治療効果の判定にも活用できるという。

 研究期間は5年以内をめどとする。マウスによる解析を1年ほど行った結果を踏まえ、アルツハイマー患者の血液や尿サンプル分析に移行する。

 アルツハイマー病などの代謝異常の研究ではこれまで、代謝産物の分析は数種類が限界となっていた。CE―MSを活用することで、従来の分析法と比べ数十倍の速さで測定でき、代謝変動の全体を網羅的に調べることが可能となった。

 記者会見で、慶應先端生命研の冨田所長は「患者の血液、尿をメタボローム解析して健常者と比較することで、患者が持つバイオマーカーを発見できれば、健康診断などでの診断が期待される。早期診断法を世界に先駆けて確立したい」と抱負。

 また、同医療センター研究所の滝川室長は「アルツハイマー病など認知症はいかに早く手を打つかが鍵。特に患者に苦痛を与えず測定できる尿中のアルツハイマー特有のパターンを見出したい。予防や治療薬の投与時期、薬の開発も可能になる」と期待を述べた。

アルツハイマー診断法開発に向けた共同研究を発表した滝川室長、冨田所長、曽我教授(左から)
アルツハイマー診断法開発に向けた共同研究を発表した滝川室長、冨田所長、曽我教授(左から)



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