文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2008年(平成20年) 1月18日(金)付紙面より

ツイート

甘み引き立つ旬のアサツキ 洋風アレンジし試食会

 庄内地方の冬から春にかけての味覚・アサツキを使った新料理の試食会が16日、酒田市中町二丁目のレストラン欅で開かれた。県庄内総合支庁「食の都庄内」食の親善大使である同レストラン総料理長の太田政宏さんが考案した洋風てんぷら(ベニエ)やスパゲティ、サラダなど、手軽にできる洋食が出され、「甘味が引き立つ」など好評だった。

 アサツキはネギの仲間の多年草で、庄内では古くから冬から春にかけ、地下に埋まった新芽を掘り起こし、食べられてきた。今回の試食会は、京浜市場では日本一という年間100トン前後を出荷している酒田市袖浦農協あさつき部会(元木市郎部会長、74人)をはじめ、県、市、全農庄内本部などによるあさつき振興協議会(会長・元木部会長)が消費拡大を図ろうと主催。同協議会の関係者約20人が参加した。

 出された新メニューは、ヤリイカの中にアサツキを詰めて焼いた「ヤリイカとあさつき詰めイタリア風」をはじめ、エビ入りのホワイトソースとの彩りが鮮やかなクリームコロッケ、コメ粉と卵白の衣で揚げたベニエ、アサツキ入りナポリタン・スパゲティ、生ハムとのサラダなど8品。いずれも「若者や子供」をターゲットに、太田シュフが考案したものだ。

 普段はイカとの酢味噌あえなどにして食べるという生産者の女性は、「クリームコロッケは子供が喜んで食べそう。ベニエはアサツキの甘味が引き立っておいしい」など感想を語っていた。

 太田シェフは「店でも以前からサラダやベニエに使っている。伝統料理のイカとの酢味噌あえの相性が抜群で、これを超える料理が課題。これからもいろいろ考えていきたい」と話した。また出荷方法については「首都圏のレストランなどでは今、地方の特色ある食材を懸命に探している。そういう店に直接売り込んだ方が知名度アップは早いのでは」とアドバイスしていた。

 この日、特に好評だった料理については来シーズン、調理法を書いたリーフレットを作り、消費者に配布する予定だ。

 袖浦農協管内では、栽培に適した砂丘地という立地を生かし、2000年にあさつき部会を結成して本格生産に乗り出し、主に首都圏に出荷、在来野菜として徐々に知名度が高まっている。近年の作付けは約13ヘクタール、出荷時期は1月から2月を中心に12―3月、05年度の出荷額は1億円を超え、同部会は本年度の県ベストアグリ賞を受賞している。

アサツキの新料理に舌鼓を打つ参加者たち
アサツキの新料理に舌鼓を打つ参加者たち


2008年(平成20年) 1月18日(金)付紙面より

ツイート

メタボローム技術活用 慶應先端研とチリの企業 共同研究への契約締結

 鶴岡市の慶應大先端生命科学研究所(冨田勝所長)は、南米・チリ共和国の鉱業技術研究企業バイオシグマ社と、含有量の低い銅鉱石から微生物を用いて効率的に銅を取り出す共同研究に取り組む。16日、同市先端研究産業支援センター(鶴岡メタボーロムキャンパス)で契約を締結した。

 チリは金属鉱物資源に恵まれ、銅の採掘量は世界一。同社は、日鉱金属(東京都港区)とチリ国営銅公社が共同で設立した企業。バクテリアなど地中の微生物を活性化させて鉱石を溶かし、硫酸を加えて金属を取り出す技術(バイオ・マイニング)の研究開発を行っている。

 同社によると、バイオ・マイニングの実証実験で、一般的な精錬技術では処理できなかった銅の含有量が低い鉱石からの銅生産に成功している。しかし、バイオ・マイニングに用いるこうした有益な微生物については、メカニズムなど科学的に解明されていない部分が多く、コントロールが難しいという。

 今回の共同研究では、慶應先端生命研が開発した細胞内の全代謝物質を短時間で測定・解析するメタボローム技術を活用。3種類の微生物について機能や性質などメカニズムを解明し、低品位の銅鉱石からの抽出技術を高め、バイオ・マイニングの実用化、増産に結び付ける。同センター内に研究所を開設し、バ社から研究者3人が派遣され2年間をめどに研究を進める。

 バ社など関係者によると、低品位の鉱石について現在の採掘現場では廃棄したり、採掘しないことがほとんどという。また、既存技術で抽出できる銅の生産量は世界で4・8億トンだが、バイオ・マイニングの技術開発が高まると三十数億トンに上るとみられている。

 メタボロームキャンパスで行われた会見には、冨田所長、同社ゼネラルマネージャーのリカルド・バディージャ氏とシニア・コンサルタントの谷口能敬氏などが出席。研究内容について説明した。会見に先立って行われた締結式にはダニエル・カルバージョ駐日チリ大使も出席した。

 冨田所長は「微生物がどういうメカニズムで活動しているか、ほとんど分かっていない。メタボローム技術などを生かし微生物の代謝を徹底的に調べ、バイオ・マイニングの研究促進につながれば。銅の含有量が低い鉱石から効率よく抽出する技術が進めば経済的インパクトは計り知れない。バイオテクノロジー技術の開発にもつながると期待している」と話した。
          

共同研究を締結し、握手する冨田所長(左)とバディージャゼネラルマネージャー
共同研究を締結し、握手する冨田所長(左)とバディージャゼネラルマネージャー



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field