2008年(平成20年) 11月19日(水)付紙面より
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鶴岡市上郷地区にゆかりのある小説家・横光利一(1898―1947)の顕彰行事が18日、上郷小学校(安野郁夫校長、児童136人)で行われ、児童たちが小説「夜の靴」を音読し、横光文学に理解を深めた。
横光は千代夫人が鶴岡市出身だったことからたびたび訪れ、戦時中には旧上郷村に疎開。その体験をもとに上郷地区の人々の人間模様を日記風に書いた「夜の靴」を発表した。
顕彰行事は、上郷地区の住民で組織する「むらおこし15会議」(佐藤俊和代表)が、生誕100年を記念し、偉大な功績を残した横光をしのぶことを目的に1998年から始めた。今回で11回目。
この日は、横光の二男・横光佑典氏と文学研究者の井上謙氏を招待して行われた。全校児童が参加した「夜の靴」の音読では「この辺りの発音はフランス語に似ている。まことにリズミカルで温かい。まるでフランスの田舎にいるみたいだ」と、上郷地区の方言について表現した一節を大きな声で発表した。
続いて、横光氏と井上氏が講話した。このうち横光氏は「父は亡くなる前に『今は私の書いた小説を分かってくれる日本人はいないが、100年経ったら分かってくれる』と言い残したことが今でも忘れられない。当時は戦時中で世間からは作品が理解されなかった」と思い出話を語っていた。
全校児童で「夜の靴」を音読し、横光利一をしのんだ
2008年(平成20年) 11月19日(水)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高校(保科悟校長)海洋環境科の2年生と三瀬小学校(滝口節子校長)の5年生が18日、同市三瀬の三瀬川でサケのつかみ捕りを行った。
加茂水産高では、栽培漁業の有用魚種・サケの採補技術を生徒に習得してもらうことなどを目的に、県知事の許可を得てサケのつかみ捕りを初めて企画。毎年、サクラマスの放流などで合同授業を実施している三瀬小に呼び掛けたところ、環境学習の一環として参加することになった。
この日は三瀬地区の宮前橋上流付近でつかみ捕りが行われ、加茂水産高の生徒21人、三瀬小の5年生20人のほか地元住民や教員が参加。あいにくの雨天となったが、かっぱを着込んだ子供たちは高校生に手伝ってもらいながら、素早く泳ぐサケを捕まえた。体長は60―80センチで、ひと抱えもある“大物”に子供たちは笑顔を見せていた。
子供たちが捕まえたサケは雄3匹、雌4匹の計7匹。
その後、採卵と人工授精が予定されていたが、捕まえた雌はいずれも産卵を終えていたため中止。近くの三瀬コミュニティセンターに移動し、地元婦人会が用意したサケのチャンチャン焼きや三平汁で温まった。
「捕まえたよ」。大きなサケを抱えて笑顔の三瀬小児童たち