2008年(平成20年) 11月20日(木)付紙面より
ツイート
庄内地方は19日、冬型の気圧配置で強い寒気が入り込み、山間部の鶴岡市朝日地域では時折ふぶき、25―35センチの積雪が見られた。平野部でもみぞれや雨が降り、酒田測候所では初雪を観測。前日に比べて気温も大きく下がり、寒い一日となった。市街地の自動車販売店やガソリンスタンドは、冬用のタイヤに交換する人で混雑した。
同測候所によると、日本全域の上空5000メートルに氷点下33度程度の今シーズンで最も強い寒気が入り込み、日本海側の各地で初雪が観測された。酒田市では午前3時20分ごろ、雨からみぞれに変わり、初雪を観測。平年より2日、昨年より3日それぞれ遅かった。
酒田市の最低気温は午前4時45分すぎに観測した1・4度。昨年同時期より0・9度高かったものの、前日の最低気温(4・0度)に比べて大幅に下がり冷え込んだ。
国土交通省酒田河川国道事務所月山道国道維持出張所によると、18日夜から19日午前8時まで国道112号の湯殿山除雪ステーション周辺で35センチ、中台除雪ステーションで25センチの積雪があり、18日午後11時には今シーズン初めて除雪車が出動した。
鶴岡市の田麦俣地区では19日、朝から断続的に雪が降り続いた。ドライバーたちは国道わきの雪を横目に、ライトを点灯して車を走らせていた。
一方、鶴岡市千石町の山形日産自動車販売千石店ではこの日、朝からタイヤ交換を頼む人たちで大忙しとなった。ピークは15、16日だったが、19日も開店から約30分間で10台分の予約が入り、通常は30分ほどの待ち時間が1―2時間となった。同店の整備担当者は「車検や定期点検など前からの予約のお客さんの車に手がつけられない状態。突然降ったわけではないためまだいいが、長い一日になりそう」と作業に追われていた。
酒田測候所によると、23日ごろまで雨または雪の天候で寒い日が続く。山間部では大雪となる恐れもあるという。
タイヤ交換の作業に追われた=鶴岡市の山形日産自動車販売千石店
2008年(平成20年) 11月20日(木)付紙面より
ツイート
国立がんセンター、慶應義塾大先端生命科学研究所(鶴岡市、冨田勝所長)、製薬会社などを研究拠点とする「がん医薬品・医療機器早期臨床開発プロジェクト」が、国の「先端医療開発特区(スーパー特区)」に採択された。18日に内閣府が発表した。国から研究資金などの重点配分を受け、早期がん診断機器や抗がん剤などの医薬品開発を進める。
「スーパー特区」は内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が、革新的技術の開発を促進することを目的に共同で創設。研究資金について重点化・集中配分するほか、必要に応じた立法措置で支援する。第1弾となる今回は、再生医療、バイオ医薬品開発など5つの重点分野に全国から143件の応募があり、書類審査、ヒアリング審査を経た24件が選定された。研究期間は本年度から5年間。
同研究所などによる研究拠点は「国民保健に重要な治療・診断に用いる医薬品・医療機器の研究開発」の分野に応募。プロジェクトは、全国64件の中から採択された5件の1つに選ばれた。3次元計測技術、同研究所が有するメタボローム解析などの最先端技術を用いて、3次元計測早期がん診断機器、新規抗がん剤などの開発を行っていく。また、がん医薬品・医療機器の包括的な早期臨床開発拠点を整備する。
スーパー特区に採択されたプロジェクトに同研究所からは、冨田所長と曽我朋義教授が研究分担者として参画。これまで独自に開発してきた世界最先端のメタボローム解析技術を活用し、各種がんの診断バイオマーカーや抗がん剤ターゲット探索、抗がん剤の薬効、副作用測定システムの開発などを担当する。
採択に冨田所長は「県と鶴岡市の強力なサポートのもと8年間かけて開発してきた独自の技術を、本格的にがん医療に応用する時が来た。日本最高峰のがん研究機関と力を合わせ、山形発の技術でがん撲滅に貢献したい」とし、曽我教授は「研究所が進める医薬品開発の分野で、大きなステップアップとなる」と話した。