2008年(平成20年) 11月22日(土)付紙面より
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日本自動車販売協会連合会(自販連)県支部(鈴木吉徳支部長)が進めている「環境マイスター」制度に、全国の注目が集まっている。20、21の2日間、鶴岡市の東北公益文科大大学院ホールで開かれた本年度の環境マイスター養成の研修会には、自販連神奈川県支部の役員が視察に訪れ、「山形方式」の導入に積極的な姿勢を見せた。
自販連県支部の環境マイスター制度は2004年度にスタート。各販売店のセールスマンを対象に環境に関する研修を行い、試験に合格した人を支部がマイスターとして認証。マイスターは地球温暖化防止に向け、顧客に環境に関する情報を提供し、エコドライブや環境に優しい車の普及を進める役割を担う。1年間の実務経験の後は県の地球温暖化防止活動推進員に認定される。
環境マイスターはこれまでに、約400人が誕生。支部加盟の全200販売拠点に平均2人のマイスターが配置されるまでになった。
「業界の社会的地位向上」(県支部)を旗印にした、支部挙げての取り組みが全国的に知られるようになり、山形方式への関心が高まっている。庄内地区を対象に開かれた今回の研修会を視察した自販連神奈川県支部の山田徹常務理事は「研修内容がしっかりしている。とても参考になり、ぜひ見習いたい。可能ならば来年度からマイスター制度を取り入れたい。自動車販売業に携わる者の社会的使命として環境対策は不可欠だ」と話した。
今月中旬に内陸地区を対象に開かれた研修会には、東京、宮城、岩手の各支部役員も視察に訪れた。県支部は「山形の環境マイスターの制度が高く評価され、関心が強まっている。業界全体のステータスを高めるためにも、こうした取り組みが全国に広がることが必要で、それは業界としての社会的責任でもある」と話している。
各地の自販連支部の視察が相次ぐ、環境マイスター養成の研修会=20日、東北公益大大学院ホール
2008年(平成20年) 11月22日(土)付紙面より
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羽越本線高速化シンポジウムが20日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれ、基調講演や新潟、庄内、秋田の3地区の青年経済人によるパネルディスカッションを行い、高速化の実現に向けた沿線地域の魅力づくりや連携について考えた。
高速化実現を目指している3地区の期成同盟会が機運醸成を図ろうと2002年度から毎年回り持ちで開いている。庄内地区では3年ぶりの開催。3地区の行政、関係団体の代表など約350人が参加した。
シンポでは主催者あいさつに続き、東北公益文科大の大島美恵子副学長が「庄内の大学まちづくりから新潟・秋田連携のまちづくりへ」と題して基調講演。庄内の少子高齢化の現状を解説し、「地元にいる人がどうすれば庄内が生き残れるかという大きなコンセプトで取り組む必要があり、その起爆剤となるのが3県連携」と指摘。農業の活性化や工業製品、農産加工品の輸出、観光振興など連携して取り組む地域づくりの方策を示した上で、「羽越本線が高速化されれば有効な流通が可能になり、便利になれば観光客も訪れる」と語った。
続くパネルディスカッションでは「地域間の交流から始まるまちづくり」のテーマで、平智山形大農学部教授をコーディネーターに、平間保智いわふね(新潟)、恩田健次鶴岡、橋本聡由利本荘(秋田)の各青年会議所理事長が意見を交わした。
羽越本線の高速化の必要性や連携について「交通インフラの整備は地方の生き残り、活性化に重要な意味をもつ。供給が需要を生む時代ではなく、どんなに便利になっても魅力ある地域でなければ人は来ない。そのために行政や企業、われわれJCなどが力を合わせていくべき」「都市部の人に来てもらうには車ではないインフラの整備が必要になってくる。そのために羽越本線の高速化は欠かせない」「次の世代にわれわれ大人はこうしてあげたいという思いやりを持たなければならない。何のために羽越本線を高速化し地域をどうしていくのか、真剣に話し合
い、実現させていきたい」といった意見が出された。
羽越本線の高速化をめぐっては、新潟駅での新幹線と在来線の同一ホーム乗り換えに合わせた在来線の高速化改良が検討されている。同一ホーム乗り換えは13年度の暫定供用が見込まれている。
羽越本線の高速化について意見を交わしたシンポジウム