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荘内日報ニュース
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2008年（平成20年） 2月14日（木）付紙面より
ツイート２年ぶりの雪下ろし 羽黒山五重塔 職員６人命綱つけて作業
国宝に指定されている鶴岡市羽黒町の羽黒山五重塔で13日、雪下ろしが行われた。出羽三山神社の職員たちが最上層の屋根に積もった約1・5メートルの雪を払った。
五重塔の創建は、承平年間（931―938年）に平将門が建立したとされるが定かではない。高さ29・2メートル、三間五層の「柿葺素木（こけらぶきしらき）造り」で、慶長13（1608）年ごろ、山形藩主・最上義光が大修理を行ったとされる。杉木立の中にそびえる荘厳な姿は、昔から信仰を集めるとともに観光名所として知られている。
雪下ろしは、雪の重みから国宝を守る冬季恒例の作業。気温の高い日は溶けた雪で足を滑らせる危険もあるため、気温の低い日を選ぶ必要がある。昨年は暖冬だったため、今回は2年ぶりの雪下ろし作業となった。同神社の職員6人が腰に命綱を巻き、各層の屋根に積もった雪をスコップで落とした。
最上層の屋根から地上まで約24メートル。落とされた雪は、煙状の尾を引き、杉木立に「ドスン」という鈍い音をこだまさせていた。
落とされた雪の音が静かな杉木立の中に響いていた
2008年（平成20年） 2月14日（木）付紙面より
ツイート庄内地方大荒れ 冬型強く今冬一番の寒さ
庄内地方は13日、冬型の気圧配置となって強い寒気が流れ込んだため冷え込み、強風が雪を伴って吹く大荒れの天気になった。庄内空港では東京便が欠航し道路も凍結して渋滞、ＪＲの列車にも運休や遅れが出るなど、各地で交通障害が発生した。酒田では午前8時44分に氷点下4・1度を観測。この冬、最も低い気温を記録した。山形地方気象台は午前6時18分、庄内全域に暴風雪と波浪の各警報を出し注意を呼び掛けている。
酒田測候所によると、東北地方の上空5000メートルに氷点下36度以下の寒気が流れ込んでいるためで、13日正午現在、庄内全域に2警報のほか雷注意報、加えて庄内南部になだれ、着雪の各注意報が出ている。
14日にかけてさらに強い寒気が通過し、庄内南部では山沿いを中心に雪が強く降るところもある見込み。14日午前9時までの24時間に予想される降雪量は庄内南部の平地で20センチ、山沿いで40センチ。風は最大で海上18メートル、陸上15メートルと強く、波も高さ約6メートルと大しけになる見込み。
ＪＲダイヤ乱れ
ＪＲ東日本広報室などによると、13日は大雪と強風の影響で羽越本線の各列車に運休や遅れが発生した。下りの寝台特急3本が最大1時間36分、上り特急いなほ8号が約30分それぞれ遅れるなど、特急列車上下線計8本に影響があった。普通列車は上下線計12本が遅れた。
また、同日夕方から夜間にかけて出発する予定だった寝台特急「日本海」「あけぼの」は上下線計6本がすべて全区間運休となった。
空の便も欠航続く
庄内空港は12日、強風の影響で庄内発羽田行き全日空900便、羽田発庄内行き同899便が欠航した。13日午前も雪を伴った強風の影響で羽田発庄内行き同893便と、折り返しの庄内発羽田行き同896便が欠航。県庄内空港事務所によると、4便合わせて507人に影響があった。
平野部の幹線道路では各所で地吹雪が発生した＝13日午前7時50分ごろ、酒田市広野の国道7号
2008年（平成20年） 2月14日（木）付紙面より
ツイート遊佐のコメ３種 魅力知って 料理人が創作 特別メニューを提供
遊佐町の若手農家4人が生産した3種類のコメを食材の主役に使い、町内外の料理人13人が創作した特別メニューを提供する「17人の遊佐ごはん」が、同町と酒田、鶴岡、秋田県由利本荘各市のレストランなどで繰り広げられている。
活力のある元気な町づくりを目指す遊佐ブランド推進協議会（会長・小野寺喜一郎町長）の主催。料理に使われているのは、普通のコメより粒が大きく約1・5倍の重さがある「オオチカラ」、粒が細長くて香ばしい風味の「プリンセスサリー」、おいしいもち米として戦前から作られていたものの生産が途絶えていた同町由来の「彦太郎糯（もち）」。いずれも齋藤武さん（33）＝白井新田＝ら同町内の20、30歳代の農家4人で組織する有限責任事業組合「ままくぅ」が栽培している。
3種類のコメをＰＲしようと同協議会は昨年1月、東京で試食会を開催。イタリア料理のシェフが調理して飲食店主らに振る舞い、高い評価を得た。「17人の遊佐ごはん」は、地元にもお披露目しようと企画。今月1日から18日までの期間限定で展開している。
料理や製品の提供に協力しているのは、由利本荘市のスペイン料理「ドン・キホーテ」、遊佐町のレストラン「ラ・メール」（遊楽里内）、洋風居酒屋「かぶと」、ベーカリー「パン工房ＢＡＫＵ麦（ばく）」、酒田市の台湾料理「酒茶房如意（にょい）」、フランス料理「欅」、鶴岡市のイタリア料理「アル・ケッチァーノ」とカフェ「イル・ケッチァーノ」、創作和食「水の食卓百けん濠（ぼり）」、日本料理「蔵屋敷ＬＵＮＡ」、ケーキ＆イタリア料理「ル・ジョリ・シャポー」（グランドエル・サン内）の11店の料理人13人。
メニューは、3種類のコメの特徴を生かして各店が創作。オオチカラのリゾット、プリンセスサリーのジェラート、彦太郎糯の米粉パンなど、メーン料理はもとよりスイーツやピザなどで、さまざまな味が楽しめる。
酒茶房如意（酒田市大宮町四丁目）では「プリンセスサリーと庄内豚のチャーハン」「オオチカラのビーフンと遊佐産お豆のお汁粉」など4品を提供。店長の菅井亮さん（29）は「新しい何かを打ち出したいという齋藤さんたちの熱意に賛同した。庄内、特に農業の将来を考え応援したいと思った」とし、遊佐ごはんメニューについては「ある程度、単価が上がってもお客さんが受け入れてくれれば続けたい。手応えは感じている」と話す。
ままくぅの齋藤武さんは「3種類のコメが料理のプロの手にかかると、思いもしなかった味になる。コメの可能性がさらに広がった。後は各店の定番メニューにしてもらえれば」と期待している。
問い合わせは齋藤さん＝電0234（71）2313＝へ。協力各店の「遊佐ごはん」メニューなど詳しい内容は、ままくぅのホームページ＝http://mamaqu.org＝でも紹介している。
長粒米「プリンセスサリー」を使ったチャーハン（奥）など酒茶房如意で提供している「遊佐ごはんメニュー」4品
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