2008年(平成20年) 2月16日(土)付紙面より
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庄内地域の海岸沿いでは、配電線を塩害から守る高圧線碍子(がいし)の洗浄作業が繰り広げられている。
この作業は、碍子の表面に波しぶきや波のはななどで塩分が付着し、漏電する可能性があるため毎年、季節風が強まる12月―3月までの冬期間に実施している。東北電力鶴岡営業所管内では鼠ケ関から湯野浜の海岸沿いに設置されてある約1000本の電柱を対象に作業を行っている。
15日は鶴岡市由良二丁目の白山橋付近で洗浄作業が行われた。時折、強い雪が吹き付ける悪天候の中、作業員たちは高所作業車のバケットに乗り込み、ホースを使って真水を放水。碍子部分に付着した塩分をきれいに取り除いていた。
バケットに乗り海岸沿いで高圧線碍子の洗浄作業を行う作業員
2008年(平成20年) 2月16日(土)付紙面より
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酒田市黒森地区に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)が15日、地区の日枝神社常設演舞場で奉納上演された。新しく張り替えられた舞台で、黒森小児童の少年歌舞伎や本狂言「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)」などが披露された。
黒森歌舞伎は270年ほど前の江戸・享保年間(1716―35年)、村人の生活がすさんでいくことに心を痛めた与作という村人が、勧善懲悪の教えを広めようと若衆に芝居をさせたのが始まり。1976年に県の文化財に指定された。現在は地区住民による妻堂連中(佐藤進一座長)が受け継いでいる。
この日は正月公演(15、17日)の初日で、午前10時から黒森小の女児による少年太鼓で幕開け。神事や三番叟などに続き、正午からは今年で11年目となった少年歌舞伎が上演され、黒森小の男児が「白浪五人男」として知られる「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」を披露。午後1時からは時代物として人気の「近江源氏…」が、1994年以来、14年ぶりに上演された。
妻堂連中は本年度から3カ年、東日本鉄道文化財団の助成を受けており、本年度は古くなっていた演舞場舞台の張り替えなどが行われ、この日がお披露目となった。「雪中芝居」らしい厳しい寒さの中、観客は真新しい舞台で演じられる芝居に、春の息吹を呼び込むように「待ってました」など盛んに声援を送っていた。
17日も同様の時間、演目で公演が行われる。入場無料。
元気な芝居に声援が飛び交った少年歌舞伎