2008年(平成20年) 3月21日(金)付紙面より
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酒田市南部の砂丘地で、春採りアスパラガスの収穫作業が盛んに行われている。青々としたアスパラガスが立ち並ぶハウス内では、生産農家が額に汗しながら1本ずつ丁寧に摘み取っていた。
同市袖浦農協によると、管内でのアスパラガス栽培は50年余りの歴史があるという。ハウスで栽培するようになったのは15年ほど前からで、1999年にアスパラ部会(佐藤吉徳部会長)が結成された。
現在は20戸余りの生産農家が計約5ヘクタールでハウス栽培、春から秋にかけ出荷している。ハウス栽培は露地栽培に比べて太めで皮が薄く、日持ちが良いのが特徴。2月の天候不順の影響で、今年は昨年に比べ10日から2週間ほど収穫が遅れているという。
約30アールで栽培している同部会副部会長の五十嵐弘樹さん(40)=同市黒森=のハウス内は、室温が30度近くに保たれ汗ばむ「陽気」。五十嵐さんは額に汗しながら、きれいに並ぶアスパラガスのうち長さが26センチに達したものをはさみで丁寧に摘み取っていた。五十嵐さんは「今年は大雪の影響で甘味が増しおいしいものができている」と笑顔で話していた。
春採りアスパラガスの収穫は4月上旬にピークを迎える。同農協によると、今年は昨年並みの約80トンの出荷を見込んでおり、県内一円のほか、仙台圏でも消費される。
酒田市南部の砂丘地でアスパラガスの収穫が始まった
2008年(平成20年) 3月21日(金)付紙面より
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鶴岡市の出羽三山神社神職養成所の「卒業禊(みそぎ)」が20日、羽黒山中の祓(はらい)川で行われ、卒業生たちが冷水に入る荒行で修行を締めくくった。
同神社は古くから神職の要請に取り組み、1962年から神社本庁承認の養成所を開設している。生徒は神職の専門知識を学ぶとともに、山伏修行なども積む。本年度は2年課程の卒業生2人と1年課程の修了生1人が、教官や後輩たちと禊に臨んだ。
下帯にわらじ姿の卒業生たちは、「エイサー、エイサー」の掛け声で独特の準備体操をした後、雪解け水がゴヴゴウと音を立てて流れる祓川に入った。
羽黒山中は、ここ数日続いた暖かい天候で雪解けが進み、国宝・五重塔付近も木々に雪がなく春めいた雰囲気。それでも川水は身を切るような冷たさで、肩や胸まで真っ赤に染まった。約10分間、一心に祝詞を繰り返し、最後の荒行を勤め上げた卒業生たちは、神職への決意を新たにしていた。
最後の荒行として行われた出羽三山神社神職養成所の「卒業禊」