2008年(平成20年) 3月23日(日)付紙面より
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災害救助や警備、留守番などの機能を持つ実用ロボットについてのセミナーが21日、ホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれ、ロボットメーカー社員の講演とデモンストレーションを通し、ロボット産業の現状や将来性などを学んだ。
一昨年に世界で初めて福島県の病院に導入された受付・案内ロボットをはじめ、地震など災害現場で活躍するレスキューロボット、留守宅を守る家庭用ロボットなどを開発したベンチャー企業のテムザック(北九州市)の檜山康明経営企画部長を講師に招き、酒田商工会議所が会員向けに開催。
約30人が聴講。檜山部長は、食品加工工場の製造ラインの設計・開発を手掛ける機械メーカーのロボット研究室が独立して同社が設立されたことなどを話し、「ロボット製造では食品加工で培った技術が大きく生きた」と説明。ロボットのマーケットについては「車のように、最終的には家庭用に行き着くだろう」との見通しを示した。
また、同社の災害救助用ロボットが、日本海中越沖地震の復興現場などで大きな威力を発揮する姿や、家庭用ロボットが侵入者に警告を発したり外出中の家人の携帯電話に通報する様子などを映像で紹介した。
講演終了後、2006年10月に29万4000円で販売を始めた家庭用ロボット「ロボリア」などのデモンストレーションを行った。ロボットが撮影した映像を携帯電話に送らせ、画面で見てロボットにリモートコントロールで指図する様子を実演した。
「ロボリア」(手前)のデモンストレーション
2008年(平成20年) 3月23日(日)付紙面より
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国の文化審議会(石沢良昭会長)は21日、鶴岡市大網の湯殿山総本寺大網大日坊が所有する銅造如来立像(どうぞうにょらいりゅうぞう)を重要文化財に指定するよう渡海紀三朗文部科学大臣に答申した。
銅造如来立像は、高さ28・3センチの金銅仏。6―8世紀の飛鳥時代に製作されたと推察され、左右対称を基調とする衣の形や手足を大きく表して直立する姿など飛鳥時代の仏像と共通する形式を示す。また、柔和な表情や起伏のある衣の表現には、中国・南北朝時代の梁、さらには朝鮮・三国時代の百済の仏像との関連もうかがえる。
こうした点が、飛鳥時代の仏像様式の多様性、外来様式の広がりを考えていくうえで、重要な仏像として高く評価された。
県の有形文化財に指定されて3年後の1993年10月、文化財を狙った広域窃盗犯の被害に遭ったが、事件解決により2006年9月に13年ぶりに大日坊に戻った。
銅造如来立像が指定されれば、県内の重要文化財(美術工芸品)は計67件となる。
国の重要文化財に指定される大日坊の銅造如来立像