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荘内日報ニュース


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2008年(平成20年) 3月25日(火)付紙面より

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庄内観光便利に 「Suica」導入で開始式

 JRのICカード「Suica(スイカ)」が23日から、庄内地方の観光施設3カ所で利用できるようになった。そのうちの1カ所である酒田市の相馬樓で同日、サービス開始式が行われ、関係者がテープカットで新たな庄内の観光の門出を祝った。

 Suicaは入場料の支払いや買い物、食事などの決済ができるICカードで、大都市圏を中心に普及している。今回は、「やまがた出羽の国『庄内』地域活性化コンソーシアム」事業の一環で、酒田市の相馬樓、酒田夢の倶楽、鶴岡市の致道博物館の3カ所に導入。JR東日本によると、東北地方の観光施設へのSuica導入は今回が初。

 この日、相馬樓の正面玄関前で行われた開始式では、北前船庄内の新田社長が「Suicaが庄内で使えるのは素晴らしい出来事。首都圏の人などがSuicaを使って、観光みやげ品を買ったり、食事をしたり、庄内の観光に生かしてもらえればうれしい」と、利便性向上による誘客増への期待を述べた。

 続いて新田社長や県庄内総合支庁の高橋節支庁長、庄内観光コンベンション協会長の富塚陽一鶴岡市長、酒田市の中村護副市長らがテープカット、サービス開始を祝った。
 引き続きSuicaのデモンストレーションとして、ツアーで相馬樓を訪れた柿沼泰子さん(76)=東京都台東区、無職=が、相馬樓内に設置された端末に、カードをかざし、決済を行った。

 柿沼さんは、JR東日本と全日空が同コンソーシアム事業の一環で共同企画したツアーの参加者。同ツアーには首都圏や秋田県、新潟県などから計約170人が参加し、相馬樓をはじめとする庄内各地のひな人形の展示、23日に東北公益文科大公益ホールで開かれた法政大の田中優子教授の講演会などを楽しんだ。

テープカットでSuicaの導入を祝った
テープカットでSuicaの導入を祝った


2008年(平成20年) 3月25日(火)付紙面より

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今年の五穀豊穣願う 春日神社祈年祭 黒川能の奉納舞披露

 鶴岡市黒川の鎮守・春日神社で23日、五穀豊穣を願う祈年祭が行われ、能楽ファンが黒川能(国指定重要無形民俗文化財)の奉納舞を楽しんだ。

 祈年祭は、新嘗祭(毎年11月23日)とともに同神社を代表する農耕神事。この日は同神社内の能舞台で、笛や琴の音色に合わせて神官が鍬(くわ)や鋤(すき)で土を掘り返し、巫女(みこ)姿の子供たちが稲を植える様子が舞われ、今年の豊作を祈願した。

 今年の奉納舞は上座が能「淡路(あわじ)」と狂言「文相撲(ふみずもう)」、下座は今月9日からのパリ公演で上演した「<紅葉狩(もみじがり)」を披露した。

 このうち「淡路」は、都の廷臣一行が摂津(和歌山)の玉津島参詣の途中、立ち寄った淡路島で老人と若者が水口に幣を立てて田を耕す姿に出会う。廷臣がいわれを聞くと老人たちは「イザナギ、イザナミの二神を祭る御供田である」と答え、国土創生の神話を語る。夜になると一行の前にイザナギの神が現われ、国土の平和を祝福する―という物語。

 舞台では演者たちが黒川能独特の謡と舞を繰り広げ、能楽ファンを魅了していた。

黒川能の舞を奉納し、今年の豊作を祈願した
黒川能の舞を奉納し、今年の豊作を祈願した


2008年(平成20年) 3月25日(火)付紙面より

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庄内の魅力知って 藤沢周平や北前船の歴史 江戸文化研究家 田中さんがツアー客らに解説

 江戸文化研究家として知られる法政大社会学部教授の田中優子さんの講演会が23日、酒田市の東北公益文科大公益ホールで開かれ、県外の観光客や地元住民が、藤沢周平文学に描かれた庄内の風土や江戸時代の価値観などについて聞いた。

 この講演会は、県内企業の出資による広域観光振興会社「北前船庄内」(新田嘉一社長)が開いた。経済産業省の支援事業「やまがた出羽の国『庄内』地域活性化コンソーシアム」事業の一環で、JR東日本や全日空とタイアップし首都圏などから誘客を図るツアー企画の目玉の一つ。同ツアー客約170人を含め、約600人が聞いた。

 田中さんは「藤沢周平と庄内」と題して講演。藤沢作品の中で、庄内を舞台にした「風の果て」「春秋山伏記」「回天の門」「義民が駆ける」などを紹介しながら、江戸時代の北前船による酒田港の繁栄、下級武士や農民の暮らし、当時の人々の考え方などを語った。

 松ケ岡(鶴岡市羽黒町)の開墾にかかわった旧藩士たちについては、「自分が生まれた土地を愛し、そこで生き続けようと決意し、少しでも良くしようと努力した。江戸時代の侍は、そのように土を踏み締めて生きていたという意味で、偉かった」とした。酒田の商人については井原西鶴の「日本永代蔵」に登場する酒田の鐙屋に関する記述などに触れ、「人の使い方に優れ、人を見る目があった」とした。

 また、武家の二、三男が身を立てるために行う婿入りが「真面目な結婚」である一方、恋愛感情だけの結婚が「浮気な結婚」と考えられていた風潮などを紹介。藤沢さんが若いころに結核をわずらったり、妻を亡くした経験に触れ、「藤沢作品は美しい自然や地に足の着いた農民、それをしっかり見つめる武士と、人生は思い通りにはならないという切なさを描いている」と、庄内の風土に根差した人間の真実を見据えていることを強調した。

 講演に先立ち、JR東日本の見並陽一常務、ANAセールスの四十物実社長、北前船庄内の新田社長がそれぞれあいさつし、「より多くの人が庄内に来て喜び、感動するとともに、ここで暮らす人が誇りを持てるように」(見並常務)など、ツアー企画に寄せる期待などを語った。
          

藤沢作品と庄内などについて語った田中さん
藤沢作品と庄内などについて語った田中さん



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