2008年(平成20年) 3月30日(日)付紙面より
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鶴岡市羽黒町松ケ岡の湿地でミズバショウが咲き始め、里山に春の訪れを告げている。
ミズバショウは近畿以北の湿地や水辺に群生するサトイモ科の多年草。純白の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれ、中に淡い黄色の穂状の花を咲かせる。
鶴岡市では、高館山や熊野長峰、月山ビジターセンター周辺など多くの自生地がある。中でも松ケ岡の湿地は開花が早いことで知られている。
雪解け水が流れ込む湿地では、遊歩道沿いに純白の仏炎苞を開かせ始めたミズバショウが点在し、かれんな姿を見せていた。
近くに住む70代の農業男性は「今年は雪解け水がたくさん流れ込んだためか、昨年よりも咲き始めが早いようだ」と話していた。
4月に入り気温が上昇すると花や葉が大きく成長し、見ごろを迎えるという。
松ケ岡の湿地に群生するミズバショウ。間もなく見ごろを迎える
2008年(平成20年) 3月30日(日)付紙面より
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「地方に求められる情報産業企業について」をテーマにした地域情報化セミナーが28日、鶴岡市の東北公益文科大大学院ホールで開かれた。日本の情報社会研究第一人者の公文俊平氏と国際大グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)助教授で研究員の庄司昌彦氏がITを生かした地域の再生について提言した。
地域情報化の可能性と今後の展望を探るため、市や地元の金融機関、教育機関、研究機関などで構成する「庄内情報社会研究会」準備会(実行委員長・橋本政之荘内日報社社長)が企画した。昨年11月の地域情報化フォーラムに続く第2弾。
公文氏はわが国の情報社会学会の創設者。経済企画庁客員研究員、東京大教養学部教授、GLOCOM所長・代表など歴任し、現在は多摩大情報社会学研究所所長。
公文氏は「企業と智業の共働が支える地域」と題して講演。情報化社会の特徴として、ネットを活用した「智民」、膨大な個人情報の集積とその解釈力をバックボーンにした「智業」の台頭を挙げ、企業も「智業」を支援する役割を担うと解説。「西高東低」とされる日本の地域情報化の現状に対し、「地方は甘んじてはいけない」と激励し、「情報による社会革命にとどまらず、智民革命を日本で起こすことができないか考えていきたい」と締めくくった。
庄司氏は情報社会学が専門。GLOCOM助教授のほか、オンライン政策紙「政策空間」副編集長、実践女子大非常勤講師、NPO法人・政策過程研究機構理事を務めている。
庄司氏は、「最近の地域情報化と地方における情報産業企業」のタイトルで、人間関係構築をサポートするコミュニティ型のウェブサイト・ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の立ち上げ、運営に取り組む全国各地の事例を紹介した。
また、ウェブ上に限らず、実社会(オフライン)での活動に発展させることで地域活性化にもつながると述べた。その上で、「SNSは地方において人と人をつなぎなおす役割を持ち、その上に地域ならではの機能を載せることも必要」などと提言した。
情報化による地域活性化策などを探ったセミナー