2008年(平成20年) 3月9日(日)付紙面より
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知的障害者のスポーツの祭典「第4回スペシャルオリンピックス(SO)日本冬季ナショナルゲーム・山形」が7日、山形市総合スポーツセンターで開会式を行い開幕した。8、9の2日間、同市内の4会場で計7競技が繰り広げられ、フロアホッケー競技に出場した鶴岡市立愛光園を中心にしたチームは、大きな声援を受けながら全力プレーを見せていた。
SOの全国大会は、夏季が1995年、冬季は96年からそれぞれ始まり、4年ごとに開催されている。県内で初開催となった今回の大会には、スキーやスケートなど7競技に32都道府県から選手571人が出場。約2000人のボランティアが大会運営を支えている。開会式には、高円宮妃久子さまがご臨席され、全国からの選手団とともに、マラソンの五輪メダリストの有森裕子さんらも参加した。
県内からは選手63人(庄内16人)、コーチ24人が出場。8日から始まった競技のうち、同市スポーツセンターで行われたフロアホッケーには、鶴岡市と庄内町の20―50代の選手が参加。チーム競技に「山形アイスモンスターズ」のチーム名で出場し、同日午前の予選で静岡、石川、千葉県のチームとの対戦で豪快なシュートを決めるなど、応援に駆けつけた家族や富塚陽一鶴岡市長、ボランティアの声援に応えていた。
大会は、09年に米国アイダホ州で開かれるSO冬季世界大会の選考も兼ねて行われている。
フロアホッケー競技の予選で、相手ゴールに攻め込みシュートを放つ鶴岡チームの「アイスモンスターズ」=8日、山形市総合スポーツセンター
2008年(平成20年) 3月9日(日)付紙面より
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鶴岡市は7日、環境省が大山地区の上池と下池を、国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」の登録地に申請する手続きを進めていることを明らかにした。実現すれば県内では初。登録湿地に選定されると、両池や高館山など大山地区の自然が国際的な評価を受けることになり、市や地元では期待が高まっている。同省は、今年10月末に韓国で開催されるラムサール条約締約国会議で登録申請する方針。
上池と下池は、大山公園をはさんで南北にある人工かんがい用水地。広さは上池が14・9ヘクタール、下池が24・8ヘクタール。1年を通じて野鳥が数多く飛来し、特に冬期間はマガンなど毎年2万羽以上のガン・カモ類や白鳥が訪れる。
環境省による日本の重要湿地500に指定されているほか、高館山など周辺は東北自然休養林、森林浴の森100選、グリーン山形110景に選定され、住宅地に近い場所ながら豊かな自然が残されている。また、下池東側の都沢湿地帯では、自然を保全し、教育に利活用する「庄内自然博物園(仮称)」の構想も進められている。
登録湿地となるためには、(1)条約が定める国際基準(9項目)のいずれかに該当(2)鳥獣保護法など法律により将来にわたり自然環境が保全される(3)住民など地元の合意が得られる―の3つの選定基準を満たさなければならない。上池と下池は定期的に2万羽以上の水鳥が訪れるなど基準を満たしているという。
市によると、昨年12月に環境省から上池、下池を登録候補に選定したことが伝えられたという。同省東北地方環境事務所では先月、大山地区で説明会を開き、地元の自治組織や農業団体、自然保護団体などに理解と協力を求めている。今後、登録申請に向け、鳥獣保護区の特別区域指定など県や市と調整を進めていく。
地元の中浜裕大山自治会長は「大変喜ばしいこと。庄内博物園構想や大山公園再生計画などと合わせ、大山地区の活性化につながれば」と期待を込めている。また、市企画部の小林貢部長は「大山地区のすばらしい自然が世界に発信される。自然をテーマに交流の拡大、自然学習教育の推進など効果は計り知れない。登録に向け、環境省や県と連携していきたい」と、市として積極的に取り組む姿勢を示している。
ラムサール条約登録の期待が高まる=写真は下池