2008年(平成20年) 4月22日(火)付紙面より
ツイート
酒田共同火力発電(酒田市宮海、鈴木信次社長)のスプリングコンサートが19日、同市の希望ホールで開かれた。プロのオーケストラとして年間120回余りの演奏会をこなす仙台フィルハーモニー管弦楽団が、ビゼーの交響曲第1番などを演奏。クラシックファンを魅了した。
2005年11月に酒田、八幡、平田、松山の4市町が合併して新酒田市が誕生したのを記念し、翌年から毎年春にクラシック音楽のコンサートを開き今年で3回目。
この日はまず、06年4月から同管弦楽団の常任指揮者を務めているパスカル・ヴェロさんの指揮でビゼーの交響曲第1番ハ長調を演奏。続いて、新進音楽家の登竜門として知られる日本音楽コンクールのバイオリン部門で第1位を獲得し、未来を嘱望される長尾春花さん(東京芸大音楽学部)をソリストに迎え、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調作品64を披露した。
休憩後、メゾ・ソプラノの谷口睦美さん、テノールの小貫岩夫さん、バリトンの与那城敬さんが、ビゼーの歌劇「カルメン」より「ハバネラ?恋は野の鳥」や「ジプシーの歌?にぎやかな楽の調べ」「闘牛士の歌?諸君の乾杯を喜んで受けよう」など、おなじみのアリアを歌い上げた。
会場はクラシック音楽ファンで満員。プロのテクニックで奏でられる魅惑の旋律と、二期会を中心に国内外で活躍する3人のみずみずしい歌声に酔いしれていた。
バイオリンの長尾春花さん(中央)をソリストに迎えた酒田共同火力のスプリングコンサート
2008年(平成20年) 4月22日(火)付紙面より
ツイート
4月1日に正式発足したやまがた育英会(加藤五郎理事長)の発足式と運営する男子学生寮「駒込学生会館」の竣工祝賀会が20日、東京都北区の旧荘内館敷地内に新築した学生寮で行われ、財団関係者や学生、保護者ら約150人が新しい船出を祝った。
庄内出身者の男子学生寮を運営する「荘内館」、県内出身男女の学生寮を運営する「県育英会」の両財団法人は、ともに施設の老朽化という悩みを抱えていたことから組織を統合。駒込駅近くの旧荘内館の跡地に男子学生のための新寮を建設した。
新寮は鉄筋鉄骨コンクリート造り3階建てで、広さ約9・5平方メートルの個室にエアコン、机、いす、本棚、ベッド、収納庫・ITソケットなどを備え、朝夕2食付で月額5万円。食堂、会議室、多目的ホール、駐車場などもある。4月に入寮した54人のうち庄内出身者は22人。
式典で加藤理事長は「寮生が良き伝統と共同生活の規範を守りながら同じ釜の飯を食べ、生涯の友をつくる、真の学生寮を目指す」とあいさつした。
荘内館で2年を過ごした東京電機大4年の小沢亮太君(鶴岡市渡前出身、鶴工高卒)は「荘内館の各部屋はベニヤ板一枚で仕切られ、勉強できる環境ではなかった。新寮は自室で集中できる。新寮生は将来、この寮に入ったことがよかったと思える学生時代を過ごしてほしい」と歓迎の言葉を述べた。
同育英会は県育英会の女子寮だった「紅花学生会館」(東京都板橋区)も運営している。28人の在寮者のうち庄内出身者は8人。1部屋空きがあり入居者を募集している。
旧荘内館で最後の監督を務めた菅原良雄さんは「良き伝統を忘れず、勉学に励み、明日の山形、そして日本を背負う人になれるよう頑張ってほしい」と話していた。
祝賀会に先立ち荘内館で第2代監督を務めた故佐藤正能さんの胸像の除幕式が1階ロビーで行われた。
県内出身の男子学生が新生活をスタートさせた「駒込学生会館」