2008年(平成20年) 5月14日(水)付紙面より
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世界的指揮者の小澤征爾さん率いる新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートが12日、酒田市の希望ホールで開かれ、満席の聴衆がチャイコフスキーの「交響曲第6番ロ短調『悲愴』」などにうっとりと聞き入った。
2004年7月にオープンした同ホールの開館5周年記念事業「酒田希望音楽祭」の一環として、市民による実行委員会と市が開いた。小澤さんは、同市出身の名誉市民、中村恒也さん(長野県諏訪市)と親交が深い縁で、2004年12月の同ホール開館記念コンサートでも新日本フィルを指揮しており、今回が2度目。
チケットは前回、座席約1300席に対し、観覧希望の応募はがきが約1万3000通届き、競争率約10倍の抽選となった。今回ははがきを1人1枚に限定したが、それでも約6000枚のはがきが寄せられ、競争率5倍近い抽選となった。
この日は、モーツァルトの「ディベルティメントニ長調」で幕開け。続いて、同じくモーツァルトの「オーボエ協奏曲ハ長調」を、古賀賢一さんのオーボエで演奏。休憩後の「悲愴」では華やかさ、勇壮さなど、深い人生の機微を表すとも言われる4つの楽章に、聴衆は引き込まれるようにうっとりと聞き入っていた。
本番前のゲネプロ(公開練習)では、市内28小学校の6年生約1000人が見学し、一流の演奏を間近で聞いた。
演奏終了後にカーテンコールに応える小澤さん(中央)と新日本フィルの団員たち
2008年(平成20年) 5月14日(水)付紙面より
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荘内銀行(本店・鶴岡市、町田睿頭取)と北都銀行(本店・秋田市、加賀谷武夫頭取)が、経営統合に向けた協議を進めていることが13日、明らかになった。地方経済が低迷する中、経営基盤を強化し、収益力を高める狙いとみられる。実現すれば、東北では初の県境を越えた地方銀行同士の経営統合になる。
荘内銀行は預金量で県内3位、北都銀行は秋田県内2位の地方銀行。荘内銀行は県内に?店舗、県外では仙台圏を中心に?店舗を展開。北都銀行は秋田県内に66店舗、県外には酒田市の酒田支店を含め4店舗がある。両行の経営統合が実現すると、預金量の合計は約1兆8000億円に達し、東北の地銀では6番目の規模になる。
荘内銀行は、1999年に旧殖産銀行と合併に合意したが、2000年4月に破談。その後は、投資信託や個人年金保険など個人市場で強みを発揮している。
本県では昨年5月、殖産銀行と山形しあわせ銀行が合併したきらやか銀行が誕生。山形銀行ときらやか銀行、荘内銀行の3地銀が競合する状況となった。
そうした中で、荘内銀行は一昨年2月、長年の目標だった東証一部上場を成し遂げ、「次なる一手」が注目されていた。両行の経営統合の具体的な形については近く詰められるもようだが、持ち株会社の設立を基本にし、「互いに培ってきた地域ブランドは残す」考えという。
荘内銀行
1878年に第六十七国立銀行として創業。1941年に六十七、鶴岡、風間、出羽の4銀行が合併し、荘内銀行になった。2000年4月の旧殖産銀行(現きらやか銀行)との合併撤回後は、リテール(小口金融)重視の戦略強化で他行との差別化を強め、投資信託や個人年金保険の販売を積極的に進めている。06年2月に東証一部上場を果たした。
07年9月期中間決算で預金残高7901億円、貸出金残高6162億円。資本金142億円、自己資本比率11・21%。従業員数726人。店舗数79店。
北都銀行
1895年に増田銀行として設立された羽後銀行、秋田無尽として1949年設立の第二地方銀行・秋田あけぼの銀行が合併し1993年に発足。「すべては地域のために―秋田の元気は北都から」をコンセプトに昨年4月から第2次中期経営計画をスタートさせた。
2007年9月期中間決算で、総預金残高1兆838億円、貸出金残高7298億円、資本金126億6900万円。自己資本比率は9・13%。従業員数1036人。庄内には酒田市に酒田支店がある。昨年9月末現在の店舗数は83店(秋田県外4店)。