2008年(平成20年) 5月2日(金)付紙面より
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三川町で栽培、収穫された菜の花品種「キラリボシ」を食べる会が30日、同町の産直施設「マイデル」で開かれた。同施設の女性会員が腕を振るった数々の菜の花料理が披露され、新たな地域特産品の可能性を探った。
キラリボシは、2002年に東北農業研究センター(岩手県盛岡市)が開発し、現在は山形県内の数カ所で栽培されている。「キャノーラタイプ」と呼ばれる菜の花では唯一の純国内産品種。体に好ましくないとされるエルシン酸とグルコシルートの2つの成分を抑えた点がセールスポイント。
三川町では、05年から町の委託を受けた農業者がキラリボシの栽培を行っており、これに伴い菜種油「菜の花油」が商品化されて「マイデル」で販売されている。
今回の「食べる会」は、キラリボシの花や茎などを利用した料理を楽しみながら、新たな特産品開発の可能性を探るため、マイデルが企画。同施設の会員や阿部誠町長など町職員、町内の農業者など約30人が参加した。
料理は同施設の女性会員たちが腕を振るい、「菊と菜の花の和え物」や鮮やかな黄色の花が目立つ「菜の花寒天」、「菜の花チャーハン」、ウドやタマネギなどと一緒に食べる「ごま和え」、「菜の花スープ」など、数多くのメニューが並んだ。
参加者たちからは「キラリボシは花そのものがおいしい。苦みはほとんどなく、春そのものの味」「くせがなく、どんな料理でも合うのでは」「洋風料理よりも、おひたしや和え物が一番味を確かめられる」と好評だった。
マイデル運営協議会の芳賀修一会長は「花はこの季節限定の食材だが、葉や茎は一年中食べられる。今回の会ではキラリボシが生食でもいける味ということを伝えたかった。これを機に、新しい特産品の発信につなげていきたい」と話していた。
三川町産の菜の花「キラリボシ」を使った料理を楽しんだ
2008年(平成20年) 5月2日(金)付紙面より
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ガソリン税などの暫定税率を復活する租税特別措置法改正案が30日午後の衆院本会議で再可決され、成立した。改正法の施行日は5月1日で、ガソリン1リットル当たり25・1円の税率上乗せ分が、4月1日の失効から1カ月ぶりに復活した。庄内地域のガソリンスタンドでは1日、前日までの店頭小売価格から30円前後値上がりしてレギュラーガソリンが1リットルで160円前後へと大幅に上昇し、過去最高値の水準となった。
衆院本会議では、自民、公明両党など3分の2以上の賛成で再可決。民主、社民、国民新の野党3党は採決に抗議して本会議を欠席し、共産党は出席して反対した。
齋藤弘知事は「地方財政と住民生活の混乱を避けるべきという地方の主張が考慮された」と暫定税率の復活を評価するとしたコメントを発表。さらに、「『財源特例法』も早急に結論を出し、今年度の事業執行に支障を来さないよう強く要望する」として、今後の道路特定財源の一般財源化に向けた議論では1地方の高速道路ネットワークの早期整備を国家戦略として最優先に実現2必要な道路財源を確実に保障3財源の配分や工程を明確に担保―の3つを前提に、「国民の信頼に足る仕組みにしてもらいたい」と強調した。
県財政課は、暫定税率が失効していた1カ月間の歳入不足額を約5億円と見込む。県税となる軽油引取税や自動車取得税分の減額を試算したもので、国税の揮発油税分から県へ交付される道路整備臨時交付金や国庫補助分の減額について、同課は「地方への負担は避けると言われているが、その手立ても含め見通しがつかない」と話す。
一方、県内政界では、与党側が再可決への理解を求める一方、野党側からは「地方と生活者に負担を押し付ける」などの批判とともに「衆院の早期解散・総選挙を」との声が出ている。
自民党県連の遠藤利明会長は、同日発表したコメントで「ガソリンの値下げや値上げと、生活に混乱を来したことは責任政党としておわびしなくてはならないが、地方の疲弊に対して責任ある対応をするためには必要な議決」と再可決に理解を求めた。公明党県本部の寒河江政好代表は「国から交付される補助金などが止まり、自治体が財政難に陥っている。混乱を最小限に抑えるための再可決は理解される」とした。
民主党県連の近藤洋介会長は「民意を無視した採決の強行は非常に残念。福田内閣は即刻衆院を解散し、民意を問うべき」と与党の対応を厳しく批判。共産党県委員会の後藤太刀味委員長は「再議決はまったく道理のない暴挙。生活必需品の価格が高騰している時の暫定税率復活は大増税の押し付けであり、生活に大きな打撃と困難を与える」、社民党県連の広谷五郎左エ門代表は「衆院だけの再議決は、民意からかけ離れた政治だ。福田政権は再び国民から税金を搾り取ることを選択した」とそれぞれ指摘した。
過去最高になったガソリン価格を示す看板=1日午前11時ごろ、酒田市松美町