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2008年(平成20年) 5月30日(金)付紙面より

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林さん(酒田)米特許取得 損益分岐点示す作図法

 工学博士で、林建設工業社長の林有一郎さん(66)=酒田市=が、企業の損益計算書の作成時などに使われる会計方法「全部原価計算」に、損益分岐点図を組み合わせた新しい作図方法を考案し、米国特許商標庁から特許認定を受けた。
 一般に、損益分岐点を示す図は、棚卸資産などを固定費に含まない「直接原価計算」方法で、横軸に売上、縦軸に利益・原価の座標軸を取った「45度線損益分岐点図」が使われる。
 しかし、税務申告をはじめ実務で使われる全部原価計算では、利益の計算方法などに複雑な理論が介在しているため、損益分岐点を示す図がなかった。
 林さんは東京大工学部卒、同大学院修士課程を修了後、日本道路公団を経て、1980に家業の建設業を継ぐため酒田に帰郷。会社経営に携わる中で、実務に沿った損益分岐点を従業員に分かりやすく説明できないものどかしさを感じていたという。
 10年ほど前から本格的に会計学を学ぶ中で、全部原価計算で損益分岐点を示す独自の理論を構築。直接原価計算の損益分岐点図で固定費を示す水平方向の横線に、棚卸資産の影響を考慮した横線をもう1本加えた図を考えた。
 2003年1月に米国と日本に特許を申請。日本の特許庁では「特許法の対象に該当しない」として拒絶されたが、米国では昨年11月27日で特許が認められ、このほど特許商標庁から特許証が送られてきた。
 29日に酒田市内で記者会見した林さんは「実務に即した形で利益を分かりやすく示すことができる。会計学の教科者などに採用されればうれしい」と喜びを語った。
 林さんはまた、今回の発想を経済学に応用し、投資の効果が消費とあいまって乗数的に増えるという経済学者ケインズの「投資乗数効果」が誤りであることを数学的に証明したという。林さんは、同理論に基づく公共投資で公的な借金が膨らんだことについて、「投資の恩恵を受けた世代が責任を取らないといけない」とも語った。

会見した林さん
会見した林さん


2008年(平成20年) 5月30日(金)付紙面より

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「環境と暮らし」考える 環境自治体会議 遊佐町で全国大会

 「季節は巡り 時代は過ぎても 変わらなくても いいものがある」をテーマにした「環境自治体会議ゆざ会議」が28日から30日までの日程で、遊佐町で開かれている。29日は午前中、野外調査が行われ、12の分科会ごとに町内の名所旧跡や遺跡、水田、海岸、石けん工房などを訪問。あらゆる角度から「環境と暮らし」を考え直す第一歩にした。
 環境自治体会議は、地球環境問題の解決に重要な役割を担うのは基礎自治体―と認識し、環境政策の推進や環境ネットワークづくり、環境事業の推進などを目指している。1992年に設立され、現在は北海道から沖縄まで61市町村が加盟。県内では酒田、金山、高畠、庄内、遊佐の5市町が会員になっている。
 活動の一環で例年5月下旬、関係者が一堂に会して全国大会を開いており、「ゆざ会議」は16回目。27日に町中央公民館で行われた開会式には、会員自治体の職員や議員、一般住民ら約550人が出席した。
 遊佐小・中の児童生徒、遊佐混声合唱団などの合唱「遥かなる鳥海山」でオープニング。今野進実行委員長が「一人一人に新たな発見があることを願っている」、環境自治体会議共同代表の一人の小林康雄北海道士幌町長が「環境と経済が結び付くシステムを考えなければ」とあいさつした。
 小野寺喜一郎遊佐町長が歓迎の言葉。そのうえで「自然は未来の子供たちへの預かり物」と話した。続いて総合地球環境学研究所の秋道智彌副所長が「ただの生きものの大切さ」の演題で講演。山岳写真家の白籏史朗さん、岐阜経済大の森誠一教授、秋田県大潟村の黒瀬喜多村長が「生きものの多様性と郷土力」をテーマに、てい談した。
 28日は、「合意形成―郷土の宝ものを守るために」「陸から、川を経由し、やってくる海のごみ」「生命が生命を育む農業をめざして」など12のテーマで分科会を開催した。その前段で、十六羅漢や釜磯海岸、胴腹滝、彦太郎もちの栽培ほ場、小山崎遺跡、JA庄内みどり石けん工房などを視察・調査した。
 100%湧水の清流・牛渡川を訪れた茨城県古河市の市議・並木寛さん(64)は「素晴らしい自然環境だ。絶対にこのまま残してほしい」と話していた。
 最終日の30日は同中央公民館で全体会を開き、「ゆざ会議宣言」を行う。

牛渡川を視察する「環境自治体会議ゆざ会議」参加者たち
牛渡川を視察する「環境自治体会議ゆざ会議」参加者たち



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