2008年(平成20年) 5月5日(月)付紙面より
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三川町押切新田の町文化交流館「アトク先生の館」庭園で、3日から春の野草を観る会が始まった。ユキモチソウなど見ごろを迎えた山野草が訪れた人たちの目を楽しませている。
同館は、故阿部徳三郎氏が所有していた庭園と邸宅を町が買い取り、1999年に開館した。約5000平方メートルの敷地の大半を占める庭園は約300年前の江戸・元禄期の築造とされ、季節折々に咲く草花が人気を集めている。
野草を観る会は、約100種あるとされる野草が見ごろを迎えるこの時期に毎年開催している。庄内地方では珍しい紫色のつぼの中に白いもちが入っているようなユキモチソウ、淡い紫色の大きな花びらが特徴のシラネアオイなどが咲き、来館者の目を楽しませている。
館内大広間では5日まで、三川野草愛好会による野草の盆栽や写真、押し花などが展示されている。また、5日午前10時―午後3時までお茶会(一服200円)も開かれる。館内、庭園見学は無料。問い合わせは同館=電0235(66)5040=まで。
珍しいユキモチソウなどが見ごろを迎えている
2008年(平成20年) 5月5日(月)付紙面より
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鶴岡市の山五十川地区に伝わる県指定無形民俗文化財の「山戸能」と「山五十川歌舞伎」が3日、地元の河内神社の古典芸能伝習館で奉納上演され、地区民や帰省客などが能や歌舞伎を楽しんだ。
山戸能は、江戸中期の1706(宝永3)年に当時の肝煎(きもいり)が書いた「当時能事始」によると、平安初期の866(貞観8)年に能楽の堪能な人が始め、その後に黒川地区から移住した人が演目を伝えたとされる。
また山五十川歌舞伎は、300年ほど前の宝永年間(1704―1710年)に、神楽に関連した村芝居の形で始まったとされる。
一つの地域で能と歌舞伎が伝わっている例は全国的にも珍しく、能は1964年、歌舞伎は86年にそれぞれ県の文化財に指定された。
この日は、同神社の春の例大祭で、帰省した家族連れや観光客など大勢の祭り客が訪れた。今年の演目は能が「春日龍神」、歌舞伎は「箱根霊験躄(いざり)仇討 箱根山中施行の場」。
このうち能「春日龍神」は、山城国栂尾の明恵上人が中国、インドに渡ろうと思い、奈良の春日神社を参拝した際、八大龍王が百千の眷属(けんぞく)を引き連れて現われ、インドに渡ることを思いとどまったという物語。笛と太鼓の音色に合わせた幽玄の舞が観客を魅了ていした。
客席では氏子や地区民が酒を飲み交わしながらにぎやかに舞台を鑑賞し、アマチュアカメラマンたちが各場面で盛んにシャッターを切るなどしていた。