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2009年(平成21年) 3月10日(火)付紙面より

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森の時間 14 ―山形大学農学部からみなさんへ―

ドイツ人の森歩き 平 智

 ドイツ人にとってもっともかけがえのないもの。それは森の存在であるとよくいわれます。

 週末や休みの日には必ずといっていいほど家族や友人たちと森歩きに出かけ、週明けには職場の仲間と「どこどこの森はどうだった」とか、「昨日はどこからどこまで何キロ歩いた」とか、あいさつがわりに森の情報を交換するといいます。

 そんな森好きのドイツ人ですが、「最近の若者たちはさっぱり森を歩かなくなった」という声も聞かれるようになりました。

 4年ほど前に約10カ月間、ドイツの南西部にあるフライブルク市に滞在したおり、時間に余裕があるときはつとめて森歩きを楽しむようにしました。シュヴァルツヴァルト(黒い森)の散策です。

 一つは健康のために。そして、もう一つはドイツ人の森歩き好きを自分の目で確かめるために。ドイツの森は日本に比べると平坦でなだらかな林道が多いのが特徴です。また、多くの森が都市に隣接してあります。街中を散歩していたらいつのまにか森の中にいた、なんてことも珍しくありません。また、森の中には遊歩道や案内板が整備されており、道標もしっかりしていて正確なので、地図(森歩き用のいろいろな種類が市販されています)さえ持っていれば誰でも安心して歩けます。

 週末の森ではしばしば、手をつないで和やかにゆったりと歩く老夫婦や、大きな愛犬といっしょに森歩きを楽しむ家族づれの姿を見かけました。

 ラングラウフ(歩くスキー)用のストックを手に、来るべきシーズンに備えてトレーニングをかねて早足で歩いている人や、プロの競技用かと見間違えるほどの高級そうな自転車に乗って疾走していく人もいます。からだにぴったりと吸いつくようなスウェットウェアに身を包んで、ひたすらジョギングにいそしんでいる人の姿も…。

 それぞれの人が、人それぞれに、森の時間をすごしている姿に知らず知らず見とれてしまう、そんなことがよくありました。

 中学生とか高校生とか、確かに若者たちのグループは少ないかもしれないけれど、家族といっしょに歩く子供たちや、学生同士とおぼしきカップルなど、若い人たちもけっこう森歩きを楽しんでいるように見えました。
 
 というよりもむしろ、ごくふつうのドイツ人の、ごくふつうの生活の中に、森という空間が自然に位置づけられている、そんな感じがしました。そして、そのことは、若者たちにも確実に受け継がれているような気がしました。

 それにもう一つ。ドイツの森にあって、日本の森にあまりないもの、それはベンチです。 遊歩道や林道の途中にもかなりの数が設置されています。あまり目立ちすぎない木製のどっしりとしたものが。

 「どっこいしょ」(ドイツ語では「ホップサッサ」というらしい。どこか似ているような…)とかいいながら腰かけてみると、目の前にはすばらしい景色が…。眺めのいい場所には必ずといっていいほど、ベンチはほほ笑むようにあるのでした。

(山形大学農学部教授、専門は園芸学および人間・植物関係学)

ドイツ・ウンターライエンバッハにて。ヴァンデリングの小径/ベンチで一休み=自然写真家・斎藤政広撮影(2004年10月29日)
ドイツ・ウンターライエンバッハにて。ヴァンデリングの小径/ベンチで一休み=自然写真家・斎藤政広撮影(2004年10月29日)


2009年(平成21年) 3月10日(火)付紙面より

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迫力のばちさばき 鶴岡太鼓フェス盛り上がる

 庄内地方の和太鼓団体が競演する「鶴岡太鼓フェスティバル」が8日、鶴岡市文化会館で開かれ、迫力の演奏を繰り広げた。

 9回目となる今回は、「出羽普賢太鼓」「月山魁(さきがけ)太鼓」「念珠ケ関辧(べん)天太鼓創成会」「出羽三山羽黒太鼓」「祥雲御山太鼓」「あまるめ飛龍太鼓」の6団体と各団体の子供グループのほか、よさこいソーラン「遊ぶ組」が特別出演した。

 念珠ケ関辧天太鼓創成会の「初っ切り太鼓」で幕開け。各団体が次々と威勢良くオリジナル演奏を繰り広げ、伝統芸能を受け継ぐ子供たちが元気に練習の成果を披露した。出演者たちの気合の入ったステージに訪れた人たちは大きな声援を送っていた。

気合の入った演奏がステージ上で繰り広げられた
気合の入った演奏がステージ上で繰り広げられた


2009年(平成21年) 3月10日(火)付紙面より

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「食の都庄内」アピール 親善大使が料理ショー

 2009スローフード全国大会に合わせた「食の都庄内フェスタ」が8日、鶴岡市の藤島体育館で開かれた。「食の都庄内」親善大使のシェフたちによる料理ショーや地元家庭料理の紹介など庄内の食文化をアピールする多彩なイベントが繰り広げられた。

 バラエティーに富んだ地域の食を再発見するスローフード運動の全国大会の庄内開催を受け、県庄内総合支庁や庄内5市町、農業団体、スローフード山形などでつくる実行委員会が合同イベントとして開いた。7日は庄内町の響ホールでスローフード全国大会を行い、講演やパネルディスカッションでスローフードの意義などを考えた。

 会場を藤島体育館に移した8日のフェスタでは、はじめに吉村美栄子知事が「食に恵まれた庄内を全国に知ってもらい、たくさんの人に来てもらうことが地域活性化につながる」とあいさつ。食の文化祭や食育フェア、農林水産フェア、「食の都庄内」親善大使の太田政宏さん、古庄浩さん、奥田政行さんのシェフ3人による「料理ショー&おすそわけ」のステージなど多彩なイベントが展開された。

 このうち、料理ショーでは太田シェフが「米とアサツキのキッシュ」、古庄シェフが「庄内豚の黄金焼きジャンバラヤ添え」、奥田シェフが「こんがり焼いた雪菜と生ハム」を披露。出来上がった料理はそれぞれ限定200人に振る舞われた。また、食の文化祭コーナーでは郷土料理や県漁協、各農協の女性部員らが創作した「タコのからし和え」「油揚げピザ」「ピリ辛肉じゃが」などの自慢料理約300食を展示。さらに、「たこ飯」や「酢いか」「ごめ貝の混ぜご飯」など500食の試食が行われた。来場者に大人気で、あっという間に“完売”していた。

「食の都庄内」親善大使のシェフ3人が自慢の料理をステージで披露した料理ショー
「食の都庄内」親善大使のシェフ3人が自慢の料理をステージで披露した料理ショー



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