2009年(平成21年) 3月24日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市黒川の春日神社で23日、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う祈年祭が行われ、能楽ファンが黒川能(国指定重要無形民俗文化財)の奉納舞を楽しんだ。
祈年祭は、11月23日に行われる新嘗祭(にいなめさい)とともに同神社を代表する農耕神事。祝詞奉上に続き、笛や琴の音色に合わせて神官が鍬(くわ)や鋤(すき)で土を掘り返し、巫女(みこ)姿の子供たちが稲を植えるしぐさで農作業の様子を舞い、今年の豊作を願った。
今年の奉納舞は下座が能「嵐山」と狂言「琵琶借」、上座が能「現在鵺(げんざいぬえ)」の計3番。このうち「嵐山」は、勅使の一行が見事な嵐山の桜を眺めていると、「子守」と「勝手」の両神と蔵王権現が現れ、桜の花にたわむれる神遊びを見せ、春を祝福する―という物語。演者たちが黒川能独特の謡と舞を繰り広げ、能楽ファンを魅了していた。
黒川能の奉納舞で、今年の豊作を願った
2009年(平成21年) 3月24日(火)付紙面より
ツイート
「障害者自立支援法と地域移行支援」をテーマにした研修会が23日、鶴岡市の東北公益文科大大学院ホールで開かれ、県内の医療・福祉関係者らが退院後の精神障害者の地域生活支援などについて学んだ。
県では、症状が安定し受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者に対し、退院訓練や地域生活への移行に向けた支援を推進するため、本年度から地域移行支援特別対策事業を実施している。具体的には、鶴岡市のNPО法人やすらぎ会精神障害者地域生活支援センター「翔」に委託。専門員を配置して県立鶴岡病院の退院患者の地域移行を進めている。
研修会は事業の一環で翔と県が、自立支援法について理解を深めてもらうとともに、自立支援法がより手厚い内容への改正が見込まれていることからその中身について知ってもらおうと開いた。約90人が参加した。
はじめに県健康福祉部障がい医療主査の鈴木一郎さんが「山形県における精神保健福祉の現状と動向」と題して講義。病類別の入院患者数について統合失調症が減少傾向にある中で、認知症やうつ病などが増えている状況などを説明。今後の精神保健医療福祉への対応について「地域生活を支援するための体制整備に当たって何が必要か、鶴岡地区をモデルに行っているこの事業で実態把握を進めたい」と語った。
このほか、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部地域移行支援専門官の武田牧子さんが「施行から3年。障害者自立支援法の法令改正のポイント」、日本精神保健福祉士協会常務理事の田村綾子さんが「精神障害者地域移行支援の実践―さまざまな立場からの参画とケアマネジメント」などのテーマで講義した。
精神障害者の自立支援などについて学んだ