2009年(平成21年) 3月26日(木)付紙面より
ツイート
高校生が先進的な科学技術を学習体験する「スプリング・サイエンスキャンプ」が24日から2泊3日の日程で、鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所バイオラボ棟で開かれている。全国から集まった高校生たちがメタボローム(細胞の全代謝物質)解析実験など最先端の生命科学技術を体験している。
科学技術振興機関が科学技術に対する関心を高める機会にと毎年、春休み期間に全国で実施。今年は全国の大学や公的研究機関、民間企業の18カ所で計約200人が参加して行われている。
慶應義塾大先端生命科学研究所では2006年度から開かれ、今年は県内をはじめ関西や、首都圏などから計16人が参加。同研究所が取り組んでいる新しい生命科学「総合システムバイオロジー」を体験学習している。
初日の24日は、実験器具の取り扱いや、遺伝子を扱うときの基礎となるDNA増幅実験、メタボローム解析装置を使った大腸菌の代謝物質測定などに取り組んだ。白衣を身にまとった高校生たちは、実験用の器具・ピペットを使い、GFP(蛍光タンパク質)を微量に採取し、DNAの増幅実験をするなど真剣な表情で取り組んでいた。
先進的な科学実験を体験する高校生たち=24日
2009年(平成21年) 3月26日(木)付紙面より
ツイート
新たな地域特産品として鶴岡市櫛引地域で生産されているヤーコンの加工品開発に向けた試作品の求評会が24日、同市西荒屋の食彩あぐりで行われ、粉末にしたものなどを使ったまんじゅうやゼリー、ケーキなどを試食し意見交換した。
ヤーコンは南米アンデス原産のキク科の根菜。サツマイモに似た形で味や歯触りは和ナシに似ており、生でサラダや油でいためるなどして食べられる。ポリフェノールを大量に含み、老化やがん、動脈硬化の予防につながる機能性野菜として注目されている。
櫛引地域では9年ほど前から栽培が始まり、2005年に生産者が「ヤーコン栽培研究会」(畑山力会長、会員24人)を設立。昨年度からは県の食産業クラスター創造事業(来年度まで3カ年)に採択され、栽培技術の確立による高品質、安定生産を図るとともに、新たな加工技術の開発、商品化を目指している。
昨年度に引き続いて行われたこの日の求評会には、庄内総合支庁農業技術普及課や生産者、加工関連など約40人が出席した。食彩あぐりと菓子店いなばや、JA櫛引農工連の地元3業者が手掛けたヤーコンチップスや米粉でとろみをつけたシチュー、生のままやペーストを使ったパウンドケーキ、しぼって抽出したものを固めたゼリー、具にヤーコンを入れた中華まんなど9品を試食。味や価格、改善点などをアンケート用紙に記入していった。
チップスについては「おいしいが、少しこげくさい。揚げる温度に工夫が必要」、パウンドケーキは「生より粉末の方がおいしい」などの意見が出され、また好評だったシチューでは「シャキシャキした食感が生きている」などの声があった。
同課によると、櫛引地域では本年度、90アールでヤーコンを栽培。低収量で長期保存が難しいなどの課題があり、来年度も引き続き実証ほ場で地域に合った品種の検討をする一方、加工品の商品化を目指すことにしている。
機能性野菜として注目されているヤーコンを使った菓子類や中華まんなどの加工品を試食