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2009年(平成21年) 3月7日(土)付紙面より

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名シーンや撮影風景 「おくりびと」パネル展始まる

 第81回米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」のパネル展が5日から、鶴岡市のエスモールで始まった。庄内で撮影された名シーンのパネル写真や撮影風景のスケッチなどが紹介されている。

 同賞外国語映画賞の日本映画界初受賞や第32回日本アカデミー賞での10冠獲得を記念し、エスモールが庄内ロケをコーディネートした庄内映画村(宇生雅明社長)の協力で企画した。

 1階「光の広場」の会場には、酒田市の「旧割烹小幡」や遊佐町の月光川河川敷、鶴岡市の「鶴乃湯」、庄内町のJR余目駅などで撮影されたシーンのパネル18点、映画村顧問の平野克己さんが撮影風景をスケッチした従撮画(撮影同行記録)41点のほか、台本など映画関連の資料が展示されている。

 展示に見入っていた鶴岡市の男性(79)は「この2年間に身近なところで不幸が続いた。それで納棺士を題材にしたこの映画は興味深く見た」、同市の女性(78)は「ロケ地になった鶴乃湯には昔行ったことがあり、懐かしい。映画をぜひ見に行きたい」と話していた。

 光の広場での展示は12日まで。13日から29日までは2階新星堂前で展示する。

映画「おくりびと」のシーンのパネルや従撮画などを紹介している
映画「おくりびと」のシーンのパネルや従撮画などを紹介している


2009年(平成21年) 3月7日(土)付紙面より

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エッセー集「忘れがたい山」 池田昭二さん初出版

 元高校教諭で鳥海山の自然を守る会会長の池田昭二さん(82)=酒田市砂越緑町=が、延べ2300回に及ぶ山行の中から、「できれば忘れてしまいたい」と思うような壮絶な体験を11編のエッセーなどにまとめ収載した「忘れがたい山」を出版した。

 池田さんは中国・撫順市生まれ。スキーの先駆者だった父親に連れられ「知らず知らずのうち」に山に親しみ、敗戦で日本に引き揚げてからは東北地方の山を中心に日本各地の山々を歩いてきた。ヒマラヤのランタンなど海外登山も豊富。

 「忘れがたい山」(B6判、220ページ)は初のエッセー集。所属する酒田勤労者山岳会の機関誌に「何か連載ものを」と依頼されたのが出版のきっかけで、1950年から作成している詳細な山行記録をもとに、猛吹雪に遭ったり無謀な計画や行動によって「九死に一生を得た」ような山行を10選んで紀行文に起こし、さらに冬山登山で今も活用されている雪洞の作り方や雪洞生活の心得などの1章を加えた。

 1編目は「元日の出羽丘陵単独横断」。55年12月31日、厳冬期の青沢越えに「親をだまして」出発したものの、深い積雪と激しい風雪で右往左往。表層雪崩に巻き込まれて命からがら脱出し、ブナのうろでビバーク。翌日は空腹と疲労で幻覚・幻聴と戦いながらラッセルを続け、夕方やっと高坂集落(真室川町)を発見。民家にたどり着いた瞬間、気を失った体験を書いた。

 10編目の「九死に一生の新婚旅行」は、62年11月に玲子夫人と結婚式を挙げた当日、「1週間もの休暇を山以外に浪費すると一生悔いが残る」との思いから、予約していた内陸地方と福島・飯坂をめぐる温泉旅行のチケットをキャンセルし、冬山経験のない玲子さんを連れて鳥海山に入った際のエピソード。

 ろくな食料・装備を持たずに出発し、3日目にたどり着いた御浜小屋で食料が尽きた。4日目の朝、「とにかく下山するしかない」と、小屋の床に敷いてあったムシロでオーバーシューズ兼かんじきを作り、登山者が捨てていった靴下などを拾い集めて手袋として出発。17時間に及ぶラッセルの末、午前2時に秋田県側の山荘にもぐり込んだ。午前10時ごろ山荘を後にし5日目の夕方、象潟町(当時)の小滝集落に到着。そこの酒屋兼雑貨屋で発した第一声は「ビール一本」だった。

 池田さんは「ふもとに出稼ぎに来ている。山は帰るところ。山に入ると、ほっとする」とし、「私の失敗の数々を記したこの本が、後輩たちに多少とも役立てば」と話した。

 「忘れがたい山」は1575円。県内各地の書店で販売している。

初めて出版したエッセー集「忘れがたい山」を手にする池田昭二さん
初めて出版したエッセー集「忘れがたい山」を手にする池田昭二さん



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