2009年(平成21年) 5月15日(金)付紙面より
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鶴岡市羽黒町川代の月山高原牧場で14日、牛の放牧が行われ、月山の雄大な景色が広がる牧草地に牛たちが放された。
標高300―400メートルの月山ろくに位置する同牧場は広さ約100ヘクタール。毎年、5月中旬から10月下旬までの間、庄内地方の畜産農家から預かった牛や羊を放牧している。
管理する月山畜産振興公社によると、今シーズンは遊佐、酒田、鶴岡、三川の4市町の畜産農家と山形大農学部から肉牛156頭、乳牛18頭、親子26頭の計200頭を受け入れる。同公社によると、今年は雪が少なかったため牧草が伸びすぎ、牛の栄養となる若草が少ない状態。同公社では放牧後、草刈りをして対応するという。
この日は親子牛などを除く約170頭を放牧。トラックで運ばれてきた牛たちは、体重や体高の測定などの検査を受けた後、飼い主から「ほら、行って来い」などと言われながら、緑の牧草地に放された。
明け方までの雨もやみ青空が広がった下で、牛たちは「モー」と気持ち良さそうに鳴き声を上げ、元気に走り回ったり、ゆったり草をはんだりしていた。
飼い主に別れを告げ、緑の高原に放された牛たち
2009年(平成21年) 5月15日(金)付紙面より
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映画ロケが相次ぐ庄内地方の現場を視察しようと、吉村美栄子知事が13日、月山ろくのオープンセットを訪問。「おくりびと」など数々の映画を誘致している庄内映画村の宇生雅明社長と懇談した。
映画ロケ誘致による地域産業化の現場視察として訪問。月山ろくのオープンセットでは現在、香取慎吾さん主演の時代劇映画「座頭市 THE LAST」を撮影中。吉村知事は宇生社長らの案内で、「日本のオープンセットの中では日本一の長さ」という350メートルの直線に田んぼや家屋が連なる農村と漁村を再現したセットなどを見学した。
宇生社長は「ワンカットやワンシーンだけでなく、庄内ですべてを撮影することが可能。(制作会社などがある)東京からのオファーは多い」などとロケ地として注目されている現状を説明。吉村知事は「思った以上に大掛かりなセットで驚いた。映画誘致による地域産業化に向けて県として何かできることがあるか考えたい」と話した。
視察の合間には、吉村知事が阪本順治監督と主演の香取さん、子役の加藤清史郎君の3人に「山形を楽しんでください」などと花束を手渡した。
オープンセットの視察後、吉村知事は経済産業省の近代化産業遺産群に選ばれた松ケ岡開墾場を訪れ、松岡物産の酒井天美会長や酒井忠順社長らとも懇談した。
宇生社長の案内で、映画の撮影が行われている月山ろくのオープンセットを見学する吉村知事(右)