2010年(平成22年) 12月10日(金)付紙面より
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鶴岡市の中心商店街で9日、「大黒様の御歳夜(おとしや)祭り」が行われ、市内の大黒舞のグループが商店前などで門付けで舞を披露、師走のまちに福とにぎわいを呼び込んだ。
この祭りは、市内のまちづくりNPOや商店関係者らで実行委員会(渡部正芳代表)をつくり、2005年から大黒様の御歳夜(9日)に合わせ始めた。渡部代表によると、かつて地元では正月などに、大黒舞が門付けで舞われていた。そうした伝統を踏まえ、中心商店街のにぎわいづくりにつなげる狙い。
今年の舞い手は、昨年までの同市の藤沢、谷定、朝日の3地域の大黒舞グループのほか、新たに市中央公民館を拠点に活動する平成カラオケ愛唱会も加わり、計4グループの約20人となった。
4グループはこの日、同市山王町の山王日枝神社で神事の後、それぞれ奉納演舞。その後、各グループに分かれ、山王、鶴岡銀座、日吉町、川端の各商店街の店舗前や鶴岡まちなかキネマなど計約20カ所で門付けした。
同市日吉町の長南牛肉店前では朝日大黒舞の3人が披露。赤いずきんや金糸の華やかな衣装を身に着けた舞い手が「舞い込んだ、舞い込んだ、福大黒が舞い込んだなぁ」といった縁起の良い歌に合わせ、打ち出の小づちと扇子を振りながら舞うと、従業員や道行く人もほほ笑ましそうに見入っていた。
渡部代表は「年々、門付けを希望する店舗が増えている。地域の良さを見直すきっかけになれば」と話していた。