2010年(平成22年) 12月22日(水)付紙面より
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庄内地方の各蔵元で「新酒」の仕込み作業が盛んに行われ、しぼりたての香りが楽しめる新酒が続々と出荷されている。
新酒の仕込みは早い酒蔵では10月中旬ごろから始まり、寒さが厳しくなる1、2月に作業の最盛期を迎える。精米、洗米、蒸米、麹(こうじ)造り、酒母造り、しぼりなど約40日間の作業を経て、その年の酒が出来上がる。
酒蔵が立ち並ぶ鶴岡市大山地区にある創業約380年の老舗「渡會本店」(渡會俊正社長)では先月1日から仕込み作業が始まり、蔵人たちが忙しそうに作業に追われている。
炊き上がったばかりで100度ほどある蒸米を丁寧にほぐして温度を下げた後、一定の温度に保たれた麹室に運び、麹菌を振り掛け、さらしに包んだりする作業を行っていた。
同社代表取締役専務で杜氏の渡會俊仁さん(47)は「今年は猛暑の影響で米が全般的に硬く、もろみが溶けにくいため、すっきりした味わいの酒が出来上がる傾向にある」と話していた。同社の新酒の蔵出しは16日から始まり、17日から店頭で販売されている。仕込み作業は来年3月いっぱいまで続くという。