2010年(平成22年) 12月24日(金)付紙面より
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県立鶴岡工業高校の建築システム科3年生の5人が、認知症のお年寄りのリハビリにもなる木製パズルを考案・製作し22日、鶴岡市湯野浜一丁目の特別養護老人ホーム「しおん荘」(進藤正則荘長)に寄贈した。施設側では「これまでになかったパズル。大変ありがたい」と話している。
パズルを製作したのは、斎藤貴文君と佐藤弘崇君、松浦智之君、三浦宇裕君、渡部健次君の5人。同校が毎年11月に三川町のイオン三川で行っている「鶴工ものづくり展」で、子供向けに木製パズルの製作体験コーナーを設けていたところ、しおん荘のスタッフが「お年寄り用に作れないか」と相談。卒業制作として金内一人教諭が指導する「木工」班の5人が取り組むことにした。
進藤荘長によると、子供用や一般向けのパズルは市販されているが、ピースが小さ過ぎるなどお年寄りにちょうどいいものがないという。生徒たちは木工の基本的な技術はあることから、5、6ピースで分かりやすいイラストにするなど工夫。画用紙ほどの大きさでリンゴやドングリなどが描かれた木製パズルを1人2点ずつ仕上げ、計10点を用意した。
この日は金内教諭と生徒5人らがしおん荘を訪れ、お年寄りを前に進藤荘長にプレゼント。生徒の一人、三浦君は「分かりやすい絵を描くことが難しかった。高校3年間で学んだことの集大成になったと思うので、喜んで使ってもらえるとうれしい」と話していた。進藤荘長は「長く福祉に携わっているが、リハビリパズルは福祉カタログにも載っていないもの。産学連携として商品になるほどの出来」と話していた。