2010年(平成22年) 12月28日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市の温海、朝日両地域の産物を軽トラックで集荷して市街地で販売する森の産直カーの「歳末感謝デー」が27日、市老人福祉センターと南銀座商店街の2カ所で行われ、この日運行された「あつみ号」が正月用品の販売とともに、アカエビがたっぷり入った海老(えび)汁が振る舞われた。森の産直カーは本年度から生産者らによる自主運行に切り替わり、年末年始の買い出しに訪れた高齢者たちは「近くにスーパーがなく、日ごろの買い物は毎週来る産直カーに助けられている」と話していた。28日には「あさひ号」の感謝デーが同じ場所で行われる。
森の産直カーは、国が創設した「地方の元気再生事業」の採択を受け、2008―09年度は社会実験事業として実施。今年4月からは自主運行となり、あつみ旬菜市推進協議会が「あつみ号」、産直あさひ・グーを運営するあさひ村直売施設管理運営組合が「あさひ号」の運行をそれぞれ週3回継続している。関係者は「固定ファンが多く、産直カーを待っている市民が少なくない」と話す。感謝デーに足を運んだ同市本町三丁目の80代の女性は「夫婦とも車の運転ができず、日々の買い物に困っている。近くに来る産直カーは、本当にありがたい」と話した。
この日、老人福祉センターの感謝デーには、高齢者ら50人ほどが集まった。鼠ケ関の漁師が調理した熱々の海老汁に「うめのお」と話しながらゆっくりと品物を選び、もちや花、クルミ、越冬野菜、赤カブなどを買い求めていた。