2010年(平成22年) 2月5日(金)付紙面より
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「立春」の4日、鶴岡市大山三丁目の蔵元・加藤嘉八郎酒造で早朝にしぼった新酒を晩酌で味わってもらおうという限定酒「立春朝搾(しぼ)り」の仕込み作業が行われ、その日のうちに日本名門酒会加盟店を通じて消費者に届けられた。
立春朝搾りは、しぼりたてのフレッシュな生酒を楽しむとともに、おいしい酒で春の始まりを祝ってもらおうと、同名門酒会が1998年から毎年、加盟する蔵元や酒販店の協力で行っているイベント。今回は加藤嘉八郎酒造を含む、全国37カ所の蔵元が参加し、約15万本(720ミリリットル)の出荷を予定。
このうち、加藤嘉八郎酒造では、純米吟醸生原酒を仕込み早朝から同名門酒会の庄内地域8加盟店とその取引業者など約20人が、予約のあった720ミリリットル詰め2100本、1・8リットル詰め500本の合わせて2600本分の限定酒「立春朝搾り」にラベルを張った。その後、鶴岡市の荘内神社で祈とうし、清めた酒をその日のうちに消費者に届けた。
同酒造は「今年はとても良い状態に仕上がり、濃厚でピュアな味わいを楽しむことができる。多くの方に楽しんでもらいたい」と話していた。
2010年(平成22年) 2月5日(金)付紙面より
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「立春」の4日、庄内地方は「真冬日」となった前日に引き続き厳しい冷え込みとなり、酒田では朝方の最低気温がこの冬で2番目に低い氷点下3・7度を観測した。気温は日中になっても上がらず、正午までの最高気温は氷点下1・7度(平年3・5度)にとどまっている。
山形地方気象台によると、西高東低の冬型の気圧配置となり、東北地方上空約5000メートルで氷点下40度の強い寒気が入り込んでいるため。庄内地方には波浪、なだれ、低温の各注意報が継続して発表されている。
「春は暦の上だけ」を実感させられたこの日、酒田市穂積の日向川河川敷では、収穫したばかりのアサツキを水洗いし、砂を落とす農家の姿が見られた。同市豊里の農家、岡部智彦さん(32)、直美さん(33)夫婦も、防寒着と長靴で“武装”し仲良く作業。
智彦さんによると、この場所は適度な水量がある上、トラックで川岸まで行くことができることから、周辺のアサツキ栽培農家にとって絶好の水洗いポイントになっているという。二人も時折小雪が舞う中、10センチほどに成長したアサツキを、手を切るような冷たい水にさらして砂を落とす作業に精を出していた。