2010年(平成22年) 3月2日(火)付紙面より
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庄内地方の公立高校13校で1日、卒業証書授与式が行われ、卒業生たちが3年間の思い出を胸に学びやを巣立った。
鶴岡北高校(佐藤平校長、生徒591人)ではこの日、午前10時から同校体育館で卒業証書授与式が行われ、胸にコサージュを付けた卒業生194人が在校生や保護者の拍手の中で入場した。
佐藤校長が卒業生一人一人に卒業証書を手渡した後、「人生の大きな節目の今日、皆さんに2つの事を伝えたい。1つは、両親の願いが込められた自分の名前に個性を感じ、他人と比較するのではなく自分の強みを伸ばしてほしい。もう1つは人とのかかわりを大切にすること。他人に迷惑を掛けた分、誰かに恩返しをし、『ありがとう』『どういたしまして』の言葉が自然に出てくるような人生を歩んでください」とはなむけの言葉を贈った。
来賓祝辞に続き、在校生を代表して生徒会長の斎藤ひかるさん(2年)が「一期一会という言葉は、出会いと別れ、人としての喜びを表している。3年生との別れは悲しいが、次に出会いが待っている。皆さんと過ごした日々を決して忘れない。明日からそれぞれの道を着実に歩んでください」と送辞。卒業生代表の阿部夏希さんが「共に笑い、励まし合う友達がいたから楽しく過ごせた。明日から離れ離れになることを思うと、一緒にいた時間の大切さが感じられる。たくさんの思い出をありがとう」と声を詰まらせながら答辞を述べた。
全員で「蛍の光」を斉唱した後、合唱部の歌声と温かい拍手に包まれ、卒業生たちは会場を後にした。
庄内地方では、定時・通信制課程を含め14日までにすべての高校で卒業証書授与式が行われる。
2010年(平成22年) 3月2日(火)付紙面より
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庄内地方や新潟県村上市の旧家などに数多く残る雛(ひな)人形を巡る「日本海ひな街道」が1日、本格的にスタートした。今シーズンは庄内全市町の計26カ所と村上市内の町屋などで雛人形を展示し、春を華麗に彩る。
旧家や文化施設などにあるひな人形の広域的な展示は、庄内観光コンベンション協会が春のテーマ観光事業「庄内ひな街道」として2000年度から毎年実施してきた。今回から、庄内5市町を中心に秋田、新潟の3県10市町村エリアで滞在型観光の確立を目指して活動している日本海きらきら羽越観光圏推進協議会(会長・榎本政規鶴岡市長)の事業の一環として村上市のひな展示も加えて展開。2月3日からの酒田夢の倶楽「華の館」を皮切りに、ほとんどの会場で3月1日までに公開がスタートした。
展示会場の一つ、鶴岡市の致道博物館では御隠殿で1日から始まり、庄内藩酒井家に伝わる雛人形や雛道具、市内11菓子店による雛菓子などが展示されている。
江戸時代後期の頭が象牙製の古今雛、京都で作られた有職雛、倹約令が出されて3寸(約9センチ)以上の雛人形が禁止された際に作られた小さく愛らしい芥子(けし)雛など表情豊かな各時代の雛人形、歴代藩主に田安徳川家や熊本藩細川家から輿入れした姫君が持参した江戸中期や後期の雛道具、酒田市内の個人から借り受けた明治から大正にかけての古今雛、竹久夢二作の雛図などが展示されている。
このうち、雛道具は牛車や長持、棚、文机、御膳、将棋盤や貝合わせといった遊び道具など、職人技が光る精巧なつくりの逸品が並び、来場した人たちは一つ一つに見入っていた。