2010年(平成22年) 3月28日(日)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)の2009年度の入館者数が27日、1968(昭和43)年度に記録した21万7372人を超え、過去最高を記録した。同水族館で記念セレモニーが行われ、節目の入館者に記念品が贈られた。村上館長は「あり得ないことが起きた。こんなボロボロの水族館が過去最高の入館者数を更新できるとは夢にも思わなかった」と話していた。
同水族館は、64(昭和39)年に現在地に開館した。当初は入館者数が20万前後で推移していたが、バブル経済の崩壊や隣接県に大型の水族館が次々とオープンした影響もあり、96―98年度には9万人台まで落ち込んだ。
しかし、97年からクラゲ展示を開始し、2004年度には米国の水族館を抜いてクラゲの展示種類数が世界一となり話題を集め、入館者数が16万人前後まで回復。08年には下村脩・米ボストン大名誉教授のノーベル化学賞受賞をきっかけにした“オワンクラゲ効果”で入館者が飛躍的に伸び、19万人を超えた。本年度も引き続き「クラゲ水族館」として全国的に人気を集め、1月には39年ぶりに20万人を突破した。
新記録達成の入館者となったのは福島県須賀川市から訪れた会社員の菅野歩さん(37)と妻、娘2人の家族。セレモニーでは村上館長と榎本政規鶴岡市長が花束とクラゲのネクタイや縫いぐるみなどが入った“クラゲセット”を菅野さんに贈った。菅野さんは「結婚14周年と娘が小学校に入学することを記念した家族旅行で訪れた。また一つ家族の“記念”ができてうれしい」と笑顔で語った。
新記録達成を受けて村上館長は「この日を迎えられたのは職員や地元住民など大勢の協力があったから。次は新水族館を成功させることに職員一丸となって頑張っていきたい」と話した。
2010年(平成22年) 3月28日(日)付紙面より
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鶴岡市の庄内農業高校(高倉吉英校長)で27日、「庄農らん展」が始まり、生徒たちが栽培したランが訪れる人たちの目を楽しませている。
同校では、園芸科学科の生徒がバイテク技術を駆使してランを栽培している。展示会は生徒たちの取り組みの成果を地域の人たちに知ってもらおうと2001年から毎年、鶴岡市蘭を楽しむ会(栗本富美会長)と合同で開いている。10回目となった今回は同科、楽しむ会がそれぞれ約100鉢ずつ出品した。
昇降口そばのホールには、カトレアやシンビジウム、コチョウランを中心にデンドロデュウム、パフィオぺディラムなどさまざまな種類のランが並んだ。生徒たちのランは、フラスコの中で無菌播種(はしゅ)、培養を行い、温室で3年から5年ほど栽培管理を続けて開花させたもの。初日から地域住民らが大勢訪れ、生徒が丹精込めて育て白や黄、ピンク、オレンジなど色鮮やかな花を咲かせた作品に見入っていた。
また、生徒が生産したコメや小松菜、加工したうどんなどの販売、ランの切り花の販売も行われている。らん展は28日午後3時まで。