2010年(平成22年) 3月6日(土)付紙面より
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甘味と酸味のバランスが良く香りも豊かな南米・ペルー原産の食用ホオズキ「シオタほおずき」を使用した酒の試飲会が4日夜、酒田市のル・ポット・フーで開かれ、特産化に向け、関係者が意見を述べ合った。
「シオタほおずき」の名称は、ペルーで農業生物資源の研究を続けた塩田哲夫さん(1941―2003年)と旧知の間柄だった前田製管相談役の前田直己さんが2004年、塩田さんの姉からペルー産食用ホオズキの種子を譲り受けたことにちなんでいる。
前田さんは「酒田の特産品にできないか」と考え、山形大農学部の五十嵐喜治教授に増殖を依頼したほか、100株を市に贈呈。市では庄内バイオ研修センターで気候・風土への適性試験を行ってきた。本年度から北平田地区の生産者が本格的に栽培に取り組み始めた。
試飲会は、特産品としての可能性を探ろうと、喫茶店「ケルン」の井山計一さん、焼酎「NEW爽(さわやか)」の金龍(酒田市黒森、佐藤淳司社長)の協力で市が企画した。この日のために金龍では、リキュール「シオタほおずき酒」を製造、この酒をベースに井山さんは、ジン、ハーブ酒を加えた薬草カクテル「おみくじ」、ウオッカ、ライムなどとともにシェークした「北前ロック」などカクテル3種を創作した。
この日は飲食や観光の関係者ら約20人が参加。カクテルや原酒とともに、ル・ポット・フーで調理した「スモークサーモンと甘エビのほおずきソースマリネ」「カニムーズ焼きほおずきバターソース添え」「牛フィレ肉のほおずきゆずコショウ焼き」に舌鼓を打った。
カクテルを創作した井山さんは「シオタほおずきはスイカ並みの13度という甘味が特徴。この甘味はカクテルにそのまま生かせる」、同市のレストラン欅の太田政宏総料理長は「ほおずき酒をベースとして食前、食中、食後にそれぞれ合うカクテルを創作し売り出しては」と感想。ほかの参加者からも「フルーティな感じ」「異国の香りが新鮮でおいしい」など好意的な声が上がった。
市農林水産部の相蘇清太郎部長は「生産拡大に務め、酒田ブランドの1つにしていきたい」と話していた。
2010年(平成22年) 3月6日(土)付紙面より
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鶴岡市大山地区の上池で採れるハスを使った加工品の開発を進める「特産品開発研究会」(太田岑代表)の発表会が4日、同地区の出羽商工会大山支所で開かれた。ハスの実が入ったおかゆやアイスなどの試食会が行われ、参加者から「食べやすくてすごくおいしい」などと好評を得た。
同研究会は出羽商工会の地域特産開発事業の一環で、ラムサール条約認定を受けた大山上池・下池に訪れる観光客を同地区ならではの特産品でもてなし、地域活性化を図ることを目的に2008年に発足。商工会大山支所の会員約40人で構成し、これまでハスを原料にしたジャムやうどん、おかゆ、アイスの4品の開発に取り組んできた。
この日は商工会員や地区住民ら約30人が参加。はじめに山形大農学部の林田光祐教授が「上池・下池・都沢湿地周辺の環境の保全と地域づくりへの活用について」と題して基調講演し、「環境保全を第一に考えた商品開発を進めなければ宣伝効果が望めない。季節限定で販売するなど商品に付加価値を付けて販売を進めた方がいい」と提言した。
続いて、鶴岡市地域振興課の本間明主査が「食べて、学んで、保全する?大山上池・下池の保全活用と地域活性化の取組みについて」のテーマでラムサール条約認定後に行われた自然環境の保全活動などについて報告した。
その後、開発したハスの実を生地に練りこんだうどんや粉砕した実入りのおかゆ、アイス、ハスの花を使ったジャムの試食会が行われた。参加者たちは「ハスの実の香ばしさがおかゆとすごく合う」「アイスの中に入っているハスの実の食感が良くておいしい」などと話していた。
出羽商工会大山支所の山田直支所長は「開発した品はどれも好評でようやく販売にこぎつける土台が出来上がった。まんじゅうなど菓子類の開発を進めるとともに、販売方法を検討し、2011年度ごろの販売開始を目指したい」と話していた。