2011年(平成23年) 6月3日(金)付紙面より
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酒田の四季折々の味覚が楽しめる「北前料理・酒田湊(みなと)膳」のうち「夏の膳」の提供が1日、酒田市内の料亭など10店舗で始まった。スルメイカや庄内メロンなど旬を迎えた地元の素材をふんだんに使用。希望で地酒3種セットを加えることができる。同市大町の「四季の味・千寿」で同日、試食会が開かれ、関係者約40人が「酒田の夏」を味わうとともに意見を交わした。今後、秋、冬、春の膳と続け、年間を通した企画にする。
「湊膳」は、北前船によって上方の影響を受けた食文化が発達した酒田ならではの料理と、地元が誇る銘酒で観光客らをもてなそうと、料亭や飲食店、酒造店、観光関係業者らで組織する「酒田地酒フェア北前料理酒田湊膳実行委員会」(委員長・大谷俊一酒田料亭組合長)が1999年に、寒ダラの「どんがら汁」をメーンとする「冬の膳」でスタートした。
その後、ほかの季節の膳を追加しながらフェアを継続。ただ、四季それぞれの膳を1年通して提供したことはこれまでなく、今回の「夏の膳」から始まる各膳がそろえば初めてになる。
参加各店は、秋は口細ガレイ、冬は寒ダラ、春はサクラマスを中心に、地元食材を使った自慢料理とデザート、弁慶めしを基本に、昼食と夕食を準備する。
このうち「夏の膳」の昼食は各店共通1575円(税込み、以下同じ)。プラス525円で地酒8種類の中からぐい飲みで3杯飲める。夕食は各店が趣向を凝らした豪華メニューを、2100円から4200円で提供する。
試食会のメニューは、燻(いぶ)しサーモンでサクランボをデザインした前菜、スルメイカとタイ、サザエの刺し身、メバルのけんちん焼き、地元モズクの酢の物、弁慶めし、タイのうしお汁、メロンゼリーのパンナコッタ風など、初夏を感じさせる彩り豊かな品がずらり。参加者からは「これで元が取れるのか」と心配する声が出た。
実行委員会のメンバーでJR酒田駅の渡辺清貴駅長は「これまでの膳より取り合わせが良い。味もおいしく素晴らしい。自信を持ってお客さまに勧めることができる」と話していた。
問い合わせは実行委事務局の酒田観光物産協会=電0234(24)2233=へ。