2011年(平成23年) 6月5日(日)付紙面より
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「上山王」として親しまれている鶴岡市日枝の日枝神社(田村安行宮司)で3日、例大祭が行われた。荘内藩荻野流砲術隊による火縄銃の奉納演武が披露され、境内に轟(ごう)音をとどろかせた。
用明天皇時代の585年に鎮座したとされる神社。最上義光が1611(慶長16)年に再建し、現在の社殿は1843(天保14)年に建立された。例大祭は氏子が「町方」「郷方」に分かれ、それぞれの神宿(とうや)にご神体「お鉾(ほこ)様」を迎えてもてなした後、再び社殿に納めるもの。今年の神宿は町方が鍛冶町(陽光町)の日向常浩さん、郷方が布目の佐藤誠一さん。
砲術の演武は、明治初期に庄内藩酒井家から同神社に奉納された火縄銃を使い、2008年から行っている。この日は荘内藩荻野流砲術隊鶴岡隊(五十嵐繁康隊長)の5人と、師匠格に当たる同松山隊の2人の計7人が訪れ、立ち放ち、腰放ち、ひざ放ちなどを披露。五十嵐隊長が「構え、放て」と号令を掛けると、白い煙とともに「ドスン」「ドスン」という轟音が、境内を囲む森にこだました。そのたびに大勢の見物客が「おおー」と歓声を上げ、拍手を送っていた。
夕方には「お鉾立ち」として、両神宿から氏子たちがお鉾様を出し、ちょうちんを掲げて謡いながら各地区をくねった。
小真木原運動公園前で合流し、一の鳥居をくぐって社殿に納めた。