2011年(平成23年) 6月7日(火)付紙面より
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「庄内三大祭り」の最後を飾る「大山犬祭り」が5日、鶴岡市大山地区で繰り広げられた。晴天の下、「めっけ犬」をかたどった神輿(みこし)や呼び物の「からぐり山車」、人身御供「仮女房(かりにょうぼう)」を中心した行列が地区内を練り歩いた。
地区の鎮守・椙尾神社(同市馬町)の例大祭。昔、住民を苦しめた大むじなの化け物を「丹波の国のめっけ犬」が退治したという伝説に基づき、上、大山、下の3つの神宿(とうや、頭屋)がそれぞれ行列を仕立て、椙尾神社までくねる。酒田市の酒田まつり(5月20日)、鶴岡市の天神祭(同25日)とともに庄内三大祭りとされている。
今年の神宿は、上頭が上栄町内会(阿部清二頭主)、大山頭が鍛冶町・染屋町内会(羽根田修実行委員長)、下頭が道地(佐藤克久頭主)。からぐり山車のテーマは、高館が「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」、尾浦が「絵本合法ケ衢(えほんがっぽうがつじ)」、ミニからぐりが「宝の下駄」。合わせて約1000人の行列となった。
午前11時半にJR羽前大山駅前から鶴岡東高吹奏楽部、子供たちによる「犬みこし」に続き、行列が出発、地区の目抜き通りをくねった。からぐりを引く男衆たちは「そーれ、そーれ」と威勢良い声をまちに響かせた。
沿道の人たちには青竹を酒器にした「かっぽ酒」が振る舞われた。昨年から設けられた有料の桟敷席はほぼ満席となり、見物客はマスのあんかけなどの伝統料理を食べながら、行列を眺めた。また、昭和50年代に「大山音頭」を吹き込んだ鹿野照代さん(同市みどり町)が同音頭を肉声で披露。行列は夕方に3つの頭屋が椙尾神社に入るまで続き、地区は終日、祭り一色に染まった。