2011年(平成23年) 6月7日(火)付紙面より
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庄内町家根合で6日、地元農業者と地域の小学生たちが水田へメダカを放流し、同地区が取り組む「メダカがすめるほど農薬を減らした田んぼで安全安心なコメづくり」をPRした。
同地区で1999年にほ場整備が始まった際、当時の余目一小5年生が用水路に生息する絶滅危惧(きぐ)種のクロメダカを救出し、その後の地元住民や町、県を巻き込んだ保全活動のきっかけとなった。
その後、2003年に地元農業者がNPO法人「家根合生態系保全センター」(佐藤昭一理事長)を設立。地区内の保全池で増えたメダカを稲の育成期間中に田んぼへ戻し、安全安心なコメづくりに取り組んでいる。収穫したコメは「めだか米」のブランド名で、地元農協を通し年間約160トンが町内外や県外で販売されている。
この日の放流式にはNPOメンバーと地元の学童保育「かねあいふれあい学童ホーム」に通う余目一小の1―6年生11人、NPOの活動に協力している県庄内総合支庁職員など合わせて約25人が参加。先月、同小6年生が田植えした「メダカ水田」(約23アール)に児童たちが約200匹を放流した。同小2年の檜山諒君(7)は、あっという間に苗の間に姿を隠したメダカを見送りながら、「秋までいっぱい増えてくれるといいな」と話していた。佐藤理事長によると、秋の稲刈りまで数百倍に増えるという。
この日のうち、ほかのメダカ水田計約26ヘクタールに合わせて2500匹が放流され、稲刈り前にはメダカを捕獲して再び保全池に戻す作業が行われる。