2011年(平成23年) 6月8日(水)付紙面より
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酒田市飛島で、ウミネコが抱卵や子育てのピークを迎え、島中がにぎやかな鳴き声に包まれている。飛島は1938(昭和13)年にウミネコ繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。島内で特に数が多いのは小松浜海水浴場そばの百合島と西海岸沖の御積島、烏帽子群島。
ウミネコの和名は「海猫」。「ミャーミャー」とでも表現すればいいのだろうか、鳴き声がネコに似ていることが由来という。早春に結婚相手を探し、4月から5月にかけて1度に2、3個の卵を産む。夫婦交代で卵を温め、ほぼ1カ月弱でヒナが誕生する。
島に渡れば誰でも群れ飛ぶ様子を見ることができるのが百合島。島全体の岩場が営巣地になっていて、親鳥はヒナへの餌運びに大忙しで飛び回っている。
ヒナは生まれて1カ月半ほどで巣立つが、海水浴シーズンになると、水遊びしている観光客のすぐ近くまで、まだ黒褐色の羽毛で覆われている幼鳥が寄ってくることがある。