2011年(平成23年) 6月25日(土)付紙面より
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大相撲名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)から十両に復帰する鶴岡市出身の上林関(30)=本名・上林義之、八角部屋=へ、母校の加茂水産高校(村井太郎校長)や同校同窓会から化粧まわしが贈られ23日、同校で贈呈式が行われた。
上林関は2004年3月の春場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵。昨年5月に3回目の十両昇進を果たしたが、次の名古屋場所(7月)で幕下へ転落。その後、負け越しが続いたが今年1月の初場所で6勝1敗、続く5月の技量審査場所(3月の春場所は中止)で4勝し、5場所ぶりの関取復帰を果たした。
化粧まわしは、1年ほど前から同窓会や同校OB、学校職員、旧職員などが実行委員会(委員長・鈴木修同窓会長)をつくり、約200人から寄付を集めて制作した。鮮やかな紺色を基調に、加茂水産高の校章と校名が刺しゅうされたデザイン。
贈呈式には全校生徒179人と鈴木会長など同窓会関係者、郷土後援会の松浦安雄会長、村井校長など教員合わせて200人余りが参加。鈴木会長が「地元の応援があることを忘れず、不屈の精神とさらなる努力で頑張ってほしい」とあいさつし、化粧まわしと明け荷(道具入れ)の贈呈目録を上林関に手渡した。
これを受け、上林関は「大学でも角界でも厳しい練習に明け暮れ、もう駄目だと思うことは何度もあった。だが、十両に復帰して大勢の方から化粧まわしを受け取ることができた。夢をかなえることは難しく、時間がかかり苦しい思いもするが、努力することに意味がある。皆さんも自分の夢をかなえるため努力してほしい」と後輩にメッセージを送った。
式後、後輩たちと一緒に記念写真に収まり、「3月に手術した左ひじは少しずつ回復してきている。間近に迫った名古屋場所では勝ち越して十両に定着し、幕内を目指す」と語った。